エンタメ

JRA重賞『七夕賞』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
(C)JRA

先週のラジオNIKKEI賞は久々の〝会心作〟で、思わず笑みもこぼれた。

何せ、5頭ボックスで馬連&3連複のダブル的中、各々4130円、9340円と満足の一撃だった。とはいえ、大敗した宝塚記念の直後だけに、投資額は控えめに宝塚の3分の1にセーブした…〝嗚呼、もっと買っとけよぉ~〟と後から思うのも競馬好きの常。まあ、当たって不満垂れちゃあバチが当たるか。

それにしても大混戦ではあった。1番人気のボーンディスウェイでも単勝420円、8番人気のショウナンマグマでも1050円なのだから。結果は、ここでも1番人気は呪われ、6着に敗退。3番人気松若フェーングロッテンが快勝し、2着が前出の菅原ショウナンマグマ、3着が2番人気の岩田望サトノヘリオスと入ってのこの配当なら〝割とツケすぎ〟とほくそ笑むのも、競馬好きの常ですなあ。

実は、思わず買いそうになっていた坂井グランディアを最終的に外し、「戸崎ベジャールはトップハンデ(56キロ)がヤバそう」と記して、切ったのも正解だった。

話は変わるが、先週日曜のもう1つの重賞CBC賞を勝ったのが、今年デビューの女性騎手・今村聖奈騎乗のテイエムスパーダなのもビッグニュースだろう。2番人気の馬だし、ハンデ48キロが利した、とはいえ、重賞初騎乗・デビュー年の6月での勝利は、ちょっと凄い! 藤田菜七子騎手の良きライバルとなろうし、ゆくゆくは、日本でもおなじみのフランスのミカエル・ミシェル騎手あたりと華やかな対決をしてほしいものだ。

さて、今週もゲンを担いで、ナツコクのプロキオンSより、ナツフク継続で七夕賞を。5頭ボックス作戦も縁起ヨシと見て、続行してみよう。6~7頭ぐらい選んで、最終的に5頭に絞ってみた。順不同で、武藤アンティシペイトは、重賞では多少家賃が高そうだが、得意の福島なら何とかなりそう? デムーロのヒュミドールだってローカル小回りは歓迎のクチ。実績では池添ヒートオンビートがあと少しで重賞が取れそうなイメージ。ただ、小回り福島では届かないかも、そして1番人気濃厚だけに、再び〝呪い〟がGⅢにも及びそう、との懸念もあるが、無視はできまい。

今年の七夕賞は邦画生涯ベスト作から連想

戸崎モズナガレボシは重賞勝ち馬(昨年の小倉記念)だし、距離短縮も良さそう。あと1頭、菅原ショウナンバルディか、津村ヴァンケドミンゴだが、福島巧者の後者より、坂井から菅原に乗り替わった前者にする。〝菅原・ショウナン〟といえは、前出ラジオNIKKEIで2着し、穴馬券の使者となったショウナンマグマと同じではないか。もう一丁! との願いを込めたい。

蹴った馬では、ファルコメンは現在マイル中心で、2000メートルへの対応がどうか? 三浦レッドジェネシスは立て直しに時間がかかりそう。昨年の1、2着馬トーラスジェミニ、ロザムールは、昨年の戸崎、デムーロの鞍上に比べると〝弱化〟に映るし、このレースはいわゆる〝リピーター〟があまり発生していないので、こちらも切りたい。

〝映画連想馬券〟は、これはもうモズナガレボシから連想して『紅の流れ星』(67年)でキマリだろう。何せ私の邦画生涯ベストワン作品だからだ。石原裕次郎の『赤い波止場』(58年)のリメーク作なのだが、硬派イメージの渡哲也が、軽妙軽薄にしてアンニュイ漂う〝陽気なペシミスト〟とでも言うべきアウトロー像に変換させて、見事に演じている。東京で殺しをやって、神戸で潜伏生活をして早や数年…情婦も子分もできた…悪くない日常だが、でも何かが違う。俺の居場所はここじゃない…ゴダールの『勝手にしやがれ』(58年)にも似た現状否定、脱出願望の気分が、当時ハイティーンの私の胸にササった。東京から来た美人(浅丘ルリ子)を「寝ようぜ」とお下品に口説いて、ビンタを食らうシーンが大好き。わが映画バイブルとして、ビデオも含め、数え切れないほど観て来て今でも飽きない。渡哲也は、20年8月10日に78歳で死去。今年もその夏がやってくる。故人をこの〝ベスト作〟で偲ぶのも一興か、と。

最終的な買い目は、今週もスッキリくっきり5頭ボックス③⑥⑨⑪⑫馬連&3連複。〝連想馬券〟のナガレボシが来たら、最高の夏、最高の七夕になるのだが…星に願いを。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

あわせて読みたい