
専業主婦世帯に対する重い課税の意味~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』
児童手当法の一部改正に伴い、10月支給分から児童手当に所得制限が設けられる。
専業主婦の妻と子供が2人いる世帯の場合、主たる生計の担い手の所得制限は、およそ年収1200万円となり、それ以上の年収がある場合は、児童手当が一切給付されなくなる。その結果、約61万人の子供が児童手当の対象から外れるという。日本の少子化は深刻だ。厚生労働省の発表によると、1人の女性が産む子供の数の指標となる「合計特殊出生率」は、昨年1.30となり6年連続で前の年を下回った。
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そうしたなかで、子育てを社会として応援しようというのが児童手当の制度なのだが、なぜ高所得者を対象から外すのか。高所得者は、手当を出さなくても、自分のカネで子育てができるという理屈はあるかもしれない。しかし、金持ちの子供だろうと、庶民の子供だろうと、日本の未来を支えるという意味では、同じ役割を果たすことに違いはないのだ。
私は、今回の所得制限のポイントは、所得制限が世帯年収ではなく、家計の主たる担い手の年収になっていることだと思う。例えば、妻が専業主婦で、夫が年収1200万円の場合は、児童手当が支給停止となるが、共稼ぎで、夫婦それぞれが600万円を稼いだ場合は、世帯年収が同じ1200万円であるのに、満額の児童手当を受け取れるのだ。
実は同じことが、所得税でも起きている。共稼ぎ夫婦が、それぞれ年収600万円ずつ稼ぐ場合は、所得税は夫婦合計で41万円となるのに対して、夫だけが1200万円を稼ぎ、妻が専業主婦の場合には、所得税が108万円と約2倍半に増えてしまうのだ。
日本だけが専業主婦に厳しい
この税制は事実上、専業主婦世帯に強い課税をしているのと同じである。「片稼ぎ」では、税負担が重いうえに給付金も減らされる。そういった環境になっているからこそ、いま専業主婦世帯は、急速に数を減らしているのだ。私は、女性が専業主婦になるべきだと言っているのではない。私はむしろ女性は働くべきだと思っているし、私の妻もずっと働いてきた。ただ、働きたくない女性が働かないという選択肢も、認められるべきだと思うのだ。
アメリカやドイツでは、「2分の2乗課税」という所得税の算定方式が採られている。夫婦の平均年収をもとに所得税額を計算して、それを2倍したものを世帯の所得税として支払う仕組みだ。この方式で税額計算をする場合、世帯年収が変わらない限り、夫婦がどのような労働の分担をしても税額は同じになる。
例えば、世帯年収の100%を夫が稼いでも、夫婦それぞれが半分ずつ稼いでも、もしくは妻が100%稼いでも、税額は変わらないのだ。つまり、2分の2乗課税は、夫婦の労働分担に関して、税制が影響を与えないことになる。
なぜ日本は、専業主婦世帯に厳しいペナルティーを課してきたのか。おそらくそれは、労働力不足を補うためだろう。日本はすでに「人口減少社会」に入っている。実際、2000年から昨年にかけて、日本の生産年齢人口(15歳から64歳の人口)は、1187万人も減っている。ところが、労働力人口は逆に141万人も増えており、その立役者となっているのが女性である。この約20年の期間に、女性労働力は324万人も増加しているのだ。
いまの政府の政策は、日本経済を支えるため、まるで「女性は全員働け」と言っているかのようだ。しかし、私はどのような労働分担をするのかは、政府が決めるのではなく、あくまでも夫婦で決めるべき問題だと思う。
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