9月27日、東京都渋谷区にある高級マンションの一室で、女優の竹内結子さん(40)が自殺しているのを、夫で俳優の中林大樹(35)が発見。すぐに緊急搬送されたものの、ほどなく死亡が確認された。
竹内さんは2004年に俳優の中村獅童と離婚した後、中村との間に生まれた長男をシングルマザーとして育てていたものの、昨年になり中林と再婚。今年1月には中林との間にもうけた子どもを出産し、女優としても映画『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』に出演するなど、活躍していた。そういったことから、竹内さんに近い関係者の間でも、あまりにも意外で突然すぎる死に驚きの声が多数巻き起こることとなった。
しかし、ある業界関係者からは、「女優ならではの職業病が一因にあったのではないか」と推測する声が寄せられている。
「役者っていうのは、一般に考えられているよりも、はるかに大きな精神的負荷がかかる仕事なんですよね」
そう語るのは、これまで数多くのドラマ制作に携わってきた演出家のY氏。同氏によると女優や俳優の中にはストイックに仕事をこなすあまり、自分を見失ってしまうケースが少なからず存在しているという。
現実と虚構の狭間に滑り落ちた!?
「一番よくあるのが、次の役作りが始まるまで、前の作品の役が抜けないというケースです。それがさらに行き過ぎると、作品と現実との境界が曖昧になってきて、日常生活においても、家族や友人といった近しい人の前でも特定の人物像を演じてしまうようになるんです。そうなってくると、ありもしない脚本に沿って毎日を生きることになるので、誰も本当の意味での素顔が分からないような有り様に陥ってしまう。自殺願望があったとしても、察知できないのは当然なんです。本人でさえも、自分自身に離人感があるぐらいですから」
Y氏によると、こうした兆候は多くの役柄を演じているほど起こりやすく、表沙汰になっていないだけで、ほとんどのベテラン役者たちが程度の違いこそあれど患っていたという。たとえば、昭和期に活躍し、人気絶頂にありながらも自殺したある俳優も、生前にこうした兆候が感じられたのだそうだ。
ストイックに仕事に打ち込む姿が多方面から評価されていた女優・竹内結子さん。もしかすると、その姿勢ゆえに、現実と虚構の狭間に存在している深い谷の底へと、滑り落ちてしまったのかもしれない。
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