1980年代、〝女優は全部見せて当たり前〟という、夢のような時代。吉永小百合を除く主演級女優は、み~んな一度はフル披露していたと言っても間違いではなかったのだ。
そして重要な濡れ場シーンも、実に生々しく臨場感あふれるものばかりだった。
例えば、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』で、黒島結菜演じるヒロインが働くイタリアンレストランのオーナー役を、完熟フェロモンたっぷりに好演している原田美枝子である。
「74年の映画『恋は緑の風の中』で、主人公の妄想シーンでチラリとスクリーンに映し出されます。このとき、彼女はまだ10代でした。まさに〝発育過剰〟という衝撃度で、自分の手で隠そうとしますが、その弾力からポロンと飛び出てしまうのです」(映画ライター)
76年には、『大地の子守歌』『凍河』『青春の殺人者』などの出演作で、毎回のように見せているのだから、今ではとても考えられない。このときもまだ10代だ。
そんな原田の肉体が最もエロティックで美しかったのが80年代。中でも86年の『火宅の人』は、特に彼女の本気印のシーンがたまらない。
「原田は、煩悩に支配されて放浪を繰り返す緒形拳演じる小説家の愛人役。寝言で妻と子供の名前を呼んでいた緒形に嫉妬し〝どうすればいいのかしらね、私〟とつぶやくと、緒形はそんな原田を強く抱き寄せ、覆いかぶさるようにして荒々しく唇を重ねていきます。緒形の男っぽい求めに原田はとてもうれしそうで、自ら万歳をするようにして身に着けているものを捨てると、推定〝G級〟の真っ白な爆豊満がプルルルルンと飛び出すのです。見事な型、まさに理想的フォルム。緒形の愛情にウエーブの効いた柔らかそうな髪を振り乱し、その両方を震わせる原田。これこそ女優を生業とする者の超一流の演技としか言いようがありませんでしたね」(同・ライター)
負けてなるものかと激しく乱れて…
同作では、あの松坂慶子も、緒形が九州に旅行しているときに再会し、関係を持つホステス役で登場。ラスト近くで、後輩の原田に負けてなるものかと激しく乱れてくれている。
「雪が降りつけ、雷も鳴るクリスマスの夜。ラジオからクリスマスソングが流れる中、お寺のお堂の中で組んずほぐれつの絡みシーンを見せてくれます。いくつもの蝋燭の灯りに照らされた松坂の肉体は、原田ほどの肉感はないものの、しなりの利いた、しなやかな美ボディー。笑顔を見せながらのイチャイチャムードから、緒形の繊細な責めが松坂の右側先端に触れると一転、艶かしい風情に変わり、恍惚とした表情に…。そしてラストは、緒方を抱きしめながらの満足そうな微笑み。その姿が実にエロティックで美しいのです」(同)
2020年代の女優たちよ、彼女たちのようにとまでは言わないが、もう少しガンバってくれないものか…。
~Part2に続く
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