社会

シードバンク絶滅の危機~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

「隙間ビジネス」舞台裏 (C)週刊実話Web

ウクライナ北東部の都市ハリコフにある国立シードバンク(種子銀行)の地下貯蔵庫で、約2000種に及ぶ穀物の遺伝子コードが絶滅の危機に瀕している。

近くの研究施設がロシア軍の集中爆撃にさらされ、世界10位の規模を誇る同バンクは危機一髪の状態だ。

ウクライナの種子をバックアップ

「2015年、シリアの都市アレッポ近郊にあるシードバンクが破壊されると、ノルウェーにある世界最大の種子のバックアップ・複製施設『スバルバル世界種子貯蔵庫』からレバノンの植物研究者らに、乾燥地帯に適した小麦や大麦、草の種子サンプルが送られたことで、食料危機は回避されました。国立シードバンクは、干ばつや新たな害虫や病気、気温の上昇などに耐えられる新しい植物種を育てるための原材料を保存しています。もし、同施設がロシア軍に破壊されれば、ただでさえ餓死者が出ているウクライナは、深刻な事態に陥るでしょう」(農業研究者)

ウクライナの種子を『スバルバル』に送り、保存するまでには、適切な時期に作付け、育成、収穫を行う必要がある。1年以内にバックアップできるのは、ウクライナ製種子の10%程度にとどまる見通しだ。

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