日本相撲協会が定める新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反してキャバクラ通いをした上、虚偽の申告をしたとして6場所出場停止などの厳罰を受けていた元大関の朝乃山(高砂部屋)。
このたび処分が解け、いよいよ今度の名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)から土俵に戻って来る。注目は、何場所で元の大関にカムバックできるかだ。
「名古屋場所の番付は6月27日に発表されますが、三段目からのスタートになる見込みです。本人はコメントを差し控えていますが、おそらくこの1年は筆舌に尽くし難い、つらい日々だったに違いありません」(相撲記者)
去る11日、幕下以下の力士が締める黒まわし姿で稽古を公開したが、晴れて相撲を取れる喜びをかみしめるように、1年前は付け人だった十両の朝乃若と12番胸を合わすなど、合わせて24番取り、気持ち良さそうに汗を流していた。
とりわけ、得意の右四つ、左上手を取ったときの攻めは力強く、処分前の大関在位時と少しも遜色ない。師匠の高砂親方(元関脇・朝赤龍)は、「(この1年)我慢だとしか言っていない。そのことは本人が一番、自覚していると思う。今から変わったところが見える」と、精神面の成長を認めていた。
“1強”照ノ富士との対戦は来年の秋!?
折しも大相撲界は照ノ富士1強時代。先場所も、8日目までに3敗もしながら、終盤、悠々と追いつき、追い越して7度目の優勝を成し遂げ、「年内には二桁に載せたい」と胸を張った。期待の若手の台頭がいまひとつの状態で、NHK解説者で元横綱の北の富士勝昭氏は、「こんなとき、朝乃山がいたらねえ」と何度も嘆いている。
再出発の朝乃山はいつ、照ノ富士と対戦圏内に戻り、また元の大関に復帰できるか。1つに指標になるのが、ケガで序二段まで落ちたその照ノ富士だ。
「照ノ富士は三段目から幕内上位に復帰するのに、三段目1場所、幕下3場所、十両2場所、幕内1場所の計7場所かかっています。大関には、そこからさらに3場所かかりました。朝乃山も、順調にいけば来年の秋場所あたりには三役に上がってくる。大関には再来年の初場所前後。問題は、そこまで照ノ富士が持つかどうかですよ」(前出の相撲記者)
何はともあれ、這い上がる朝乃山にエールを送りたい。
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