阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web
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阪神・株主総会「監督候補3氏」浮上も“ダークホース”登場で大波乱!?

株主の関心も「次期監督」に向けられていた。今後のキーマンは、今岡真訪、鳥谷敬、藤川球児――。


6月15日、阪神タイガースを傘下に持つ阪急阪神ホールディングスの株主総会が開催された。同株主総会といえば、タイガースへの手厳しい意見が出ることでも有名だ。今季の序盤は歴史的な惨敗状態にあっただけに、出席する役員たちの表情は一様に固かった。


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「タイガースに関する質問には、主に谷本修球団オーナー代行が答えるということで打ち合わせがされていました」(在阪メディア記者)


3番目の質問者が、タイガースについて触れた。


「矢野監督がなぜ辞めると言ったのか? 〝予祝〟としてキャンプで胴上げ練習をしたことについて、社会的な常識のない監督に役員はちゃんと言ったのか? アメリカ大統領や日銀総裁が次、誰になるのか気になるように、次の阪神の監督も気になると。そっちに話題を持っていかれて…」


谷本オーナー代行は矢野燿大監督を擁護し、巻き返しつつあるチームを応援してほしいと訴えた。その毅然とした対応に質問者も満足したそうだが、言葉を濁したのは次期監督のこと。


「仮に決まったとしても、シーズンが終わるまで言うことは絶対にない。矢野監督の最終年の戦いに集中させてあげてほしい」


タイガースが上昇機運を掴む前、5月31日のことだった。今季13度目の完封負けを喫した甲子園球場で、来季のキーマンが〝ニアミス〟していたのだ。


「百北幸司球団社長も観戦していました。『応援してくれるファンのためにも最後まで…』と言っていましたが」(前出・在阪記者)

一軍監督経験がない3人…

テレビ中継の解説で岡田彰布氏も球場入りしていた。試合後、スタンドのファンたちが「来年は頼むで〜」と声援を送った。岡田氏も聞こえていたはずだが、無言でネット裏の解説者席を離れてしまった。

再登板も囁かれる岡田氏と百北球団社長の接触は確認できなかったが…。


「岡田氏は『最後の優勝監督』という位置づけです。そのレジェンドの再登板となれば、チーム再建と同時に着手してもらうのは、次世代の監督候補たちの育成です。今岡真訪氏、鳥谷敬氏、藤川球児氏の3氏を育ててもらおうと」(ベテラン記者)


同時に浮上しているのが、一気に今岡氏たちの世代にバトンタッチしてしまうというプラン。今岡氏は千葉ロッテで二軍監督やヘッドコーチも務めてきた。


藤川氏も今春のキャンプで若手投手を指導する場面もあり、現投手陣からも絶大な信頼を得ている。特に藤川氏は自身のユーチューブで「なりたくなくてもなると思います。今、そんな気がしています」と、意味深長な発言もしていた。


「3人のうち、誰が監督になっても、残り2人もコーチ入閣するでしょう。今岡氏が監督なら打撃も兼務し、鳥谷氏が守備走塁、藤川氏が投手という分担になり、3人が各分野をまとめていく」(同)


しかし、問題はこの3人の誰もが、一軍監督の経験がないことだ。参謀役として岡田氏が入閣するのは考えにくい。だとすれば、平田勝男二軍監督か、経験豊富な年長者を外部招聘することになるだろう。


「今岡、鳥谷両氏はロッテで現役を終えています。つまり、ロッテ関係者の入閣が濃厚です」(球界関係者)


一部では、井口資仁監督の進退問題が取り上げられていた。その通りであるとするなら、井口監督を支えているロッテコーチの大半も退団となる。


今岡氏は井口監督の下でヘッドコーチを務めた。また、鳥谷氏は若手時代から井口監督を慕い、自主トレも一緒に行ってきた仲。井口監督自身を引き抜いてくる可能性も十分にある。

言葉を濁した谷本オーナー代行

株主総会で、谷本オーナー代行は「金本(知憲)監督から矢野監督へと続いたプロジェクトがようやく芽が出て、2022年シーズンで完結させたいという思い」と、矢野監督の「辞める発言」を〝弁明〟していた。その言葉にウソはないが、こんな指摘も聞かれた。

「前体制からの集大成だとすれば、藤浪晋太郎のことが置き去りにされています。金本前監督は藤浪をエースに引き上げてくれとフロントにお願いされていたはず。結果は最悪、『再生』は次の監督に引き継がれることになります」(前出・在阪記者)


新政権でも、谷本オーナー代行が鍵を握るのは必至。今季中に実現する方向で調整が続いている「現役ドラフト」だが、当初は巨人が反対していたため、実現不可能と思われていた。それを一変させたのは谷本オーナー代行である。


「NPB担当を退きましたが、現役ドラフト実施後、阪神がイニシアチブを取っていく場面も増えそうです」(同)


その谷本オーナー代行が言葉を濁した質問がもう1つある。三軍制の導入だ。


「25年2月オープンを目指し、新二軍施設の計画が進められています。鳴尾浜から尼崎への移転を決意させたのは、掛布(雅之)人気です。同氏を見たいとするファンも多い」(同)


掛布氏も次期監督レースのダークホースとなるかもしれない。新二軍施設はグループの一大事業でもあり、当然、掛布氏との距離も縮めていくことになりそうだ。


次期監督の話を逸らしたのは、今岡、鳥谷、藤川の〝トロイカ体制〟を含め最終調整に入ったからか。