(画像)Mix and Match Studio / shutterstock
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ロシア“ウッドショック”深刻化…世界的に木材不足でさらに価格高騰

ロシアのウクライナ侵攻で、木材市場が大打撃を受けている。


もともと2021年に米国の住宅需要が高まり、「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材不足が発生。輸入木材の価格が高騰していた。


こうした中、今年3月にロシアが欧米諸国や日本を「非友好国」に指定し、ロシア産の木材チップや合板の原料となる単板の輸出を禁止。木材の輸出量世界一のロシアが供給をストップしたことで、世界的な木材不足に陥っているのだ。


【関連】『野菜マシ』注文に尻込み!? 家計の味方“もやし”もついに値上げか ほか「ウッドショックで木材の仕入れ価格が約2.5倍となり、メーカー各社は住宅の販売価格値上げに踏み切りました。今年は、さらに住宅価格が上がるでしょう」(大手ハウスメーカー)

10%以上も仕入れ値が高騰

また、日本の合板メーカーは、輸入単板の80%をロシアからの輸入に頼っていたため、米国やカナダ産の合板や国産への切り替えを余儀なくされている。しかし、国産合板も過去最高値で推移しており、商社や建材メーカーは木材の調達に苦戦している。

「東南アジアやアマゾンなど熱帯産の南洋材に切り替える手もありますが、伐採スピードに木の成長がまったく追いついておらず、環境破壊が問題になっています」(経済評論家)


木材不足は、戸建て住宅の建築コストの上昇に直結しており、すでに建設資材や住設機器が値上がりしているという。


「キッチンやバスルーム、洗面化粧台、トイレ、サッシなどは、10%以上も仕入れ価格が値上がりしている。そのぶん建築費も高くなっています」(一級建築士)


近年は住宅需要が高まり、新築戸建て住宅の販売価格が上昇していたが、さらなる価格高騰でマイホーム購入を断念する人が増えている。ロシア発のウッドショックは、住宅市場にも多大な影響を及ぼしそうだ。