(画像)VK Studio/Shutterstock
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前科5犯レイプ魔と中年女性を殺害した女…包丁2本を人の頭に振り下ろした過去の“凶悪事件”

今年4月、愛知県東浦町で1人の女性の遺体が見つかった。


県警は、被害女性を同県稲沢市に住む介護助手の門田典子さん(発見時40歳)と断定。中村署に捜査本部を設置し、5月31日に門田さんの知人で無職の天池由佳理(37)と、山下克己(54)の両容疑者(いずれも住所不定、別の女性への監禁罪などで起訴)を死体遺棄の疑いで再逮捕した。


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天池は「間違いありません」と容疑を認めているが、山下は黙秘している。


「天池は、19歳の頃から風俗や援助交際で稼ぐような女で、ネットに《いじめられたい人募集》などと書き込み、M客ばかりを相手にしていた」(捜査関係者)


そんな天池は、2010年にも凶悪な事件を引き起こしていた。


援交相手に待ちぼうけを食らった天池が、深夜、パチンコ店の前に立っていたときに、たまたま声をかけたのが事件の被害者となった畑中真也さん(仮名=当時66歳)だった。


「畑中さんは、『明日の昼まで家にいてもいいよ』と天池を自宅に誘ったそうです。その際、寝ぼけているふりをして天池の胸などを触った。途中で天池に気付かれたので、それ以上の行為はしなかったというのですが…」(地元記者)


〝プロ〟の天池からすれば、タダで自分の体に触るなど、とんでもないこと。腹を立てた天池は畑中さんから慰謝料を取ろうと考えたが、「やってない」の一点張りで逃げ切られた。

「私は血を見たら止まらなくなるよ」

そんなとき、新たに知り合ったのが高木陽介(仮名=当時29歳)だった。援交の客待ち中に声をかけられて意気投合。高木は、天池と車で寝泊まりしながら小遣いをもらうという生活を始め、会社も辞めてしまった。

「私の体に触って金を払わないジジイがいるんだ。慰謝料を取りたいから手伝ってくれない?」


高木は即了承。援交仲間だった女(当時21)にも話すと、「分け前が欲しい」と言って一緒に付いてきた。


10年9月30日、3人は未明に畑中さん宅へ押しかけた。


「ジイさん、前に泊まりに行ったとき、私の体に触ったでしょう」


それでも畑中さんは頑として認めようとせず、「好きなようにせえ」と開き直った。


「もうやっちゃっていいよね…私は血を見たら止まらなくなるよ」


「おう、やれやれー」


2人は天池の本性を知らず、軽口をたたいてけしかけた。すると、天池は台所に包丁を取りに行き、両手に2本の包丁を握って刃の部分を畑中さんの頭に何度もガンガンと振り下ろしたのだ。


血まみれになった畑中さんが「ごめん…触った。謝ります」と、すがりついてきたが、天池は「もう遅いんだよ。服を着ろ。ここじゃ誰かに通報される」と言って、車に乗せて連れ出した。


闇金で借金させようとしたが、業者と連絡がつかない。そこで畑中さんからキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、コンビニのATMで金を引き出そうとしたが、数百円しか入っていないことが分かって激怒。


「てめー、金もないくせに私の体を触ったのか!」


天池の怒りはピークに達し、畑中さんの顔を刃物で切り裂いたり、煙草の火を押し付けたり、「寝るな!」と言ってライターの火で腕などをあぶったりした。


いたぶられた畑中さんが「小便がしたい」と懇願すると、「これで我慢しろ」と言って、ビニールテープでペニスをグルグル巻きにしたという。


「こいつと女子中学生をヤラせて、裸の写真を撮ろうか?」


天池は援交仲間の女子中学生に電話。しかし、連絡がつかず、それもかなわなかった。


夜になっても闇金業者と連絡が取れず、だんだんと畑中さんが邪魔になってきた。


このまま死なれても困る。


3人は愛知県阿久比町の路上で畑中さんを降ろし、最後に天池がトドメとばかりに包丁を腹に投げつけた。


「ざまあみろ!」


ところが、その帰り道で、天池の鬼畜ぶりに恐れをなし、「もしかしたらジジイは死ぬかもしれない…」と動揺していた高木が事故を起こし、警察を呼ばれることに。


結局、車内に残っていた血痕の理由を追及され、高木が犯行を自供。畑中さんは通行人に発見され、一命を取り留めた。


取り調べに対し、高木と援交仲間の女は泣いて謝ったが、天池は「どうしてもごめんなさいという気分になれない。殺してやればよかった。ハハハ…という気分」と供述したというのだ。


「天池には軽度の知的障害があり、愛知県から療育手帳を交付されていた。公判ではそれを理由に執行猶予を求めたが、実刑判決を言い渡されました」(前出・地元記者)

もう1人の鬼畜

服役後に天池が知り合ったのが、前科5犯のレイプ常習者・山下克己だった。

山下が13年10月に起こした事件の被害者は、就職が決まり、卒業を待つばかりだった2人の女子高生・恭子と里美(ともに仮名)。若気の至りで家出を決行し、出会い系アプリで知り合った男の家を泊まり歩いていたという。


《無料で宿泊場所を提供してくれる人募集中。ただし、エッチはなし。手を出したら訴えるからね》


このメッセージに、《その条件でOKです》と返信してきたのが山下だ。


2人には別人のイケメン写真を送り、会うことを了承させると、直前になって《仕事の都合でいけなくなったので、代わりに知人を迎えに行かせます》というメールを送った。


山下は、その〝知人〟と称して2人に接触。不審に思いながらも、女子高生たちは泊まる場所を確保するため、車に乗り込んだ。


途中で山下から差し出されたジュースを飲んだところ、猛烈な睡魔に襲われて眠ってしまった。


数時間後に目が覚めたとき、2人は持っていた携帯電話がないことに気付く。


「着信音がうるさいから預かっている」などと言われたので文句をつけると、山下はそれまでの態度とは豹変。2人を怒鳴りつけ、懐から拳銃のようなものを取り出した。


それはオモチャのライターだったが、本物など見たこともない2人は、山下の威圧的な言動もあって本物だと思い込んだ。


「おまえら服を脱いで裸になれ。そこに正座しろ!」


2人が言われた通りにすると、山下は携帯でその姿を撮影。2人から名前や住所、学校名を聞き出し、生徒手帳を取り上げた。


それからは山下の言いなりだった。自分で慰める行為を見せるように命じられたり、女性同士のプレイを見せろと要求されたり、当然のように山下との性行為も求められたが、「この子はバージンだから許してやって」と、恭子が里美をかばい、1人で相手をしたという。


さらに、山下のアパートに連れ込まれた2人は、「もう、おまえらを帰すわけにいかん。ここで生活するんだ」と言い渡されてしまう。


絶望的な気持ちになった2人は、「少しでも待遇をよくさせよう」とこっそり話し合い、バージンだった里美も山下の相手をすることを決意。少女にとってかけがえのないバージンを鬼畜に捧げることになった。


里美も服従したことで気を良くした山下に、2人はこう提案した。


「私たち、親に捜索願を出されているかもしれない。せめて学校に行っていれば、安心すると思う。ここから通わせて。学校が終わったら、必ず帰ってくるから」


2人は、すべての荷物を置いていくという約束で、翌朝には学校の正門前まで車で送ってもらい、その足で職員室に駆け込んだ。


学校の通報で警察が駆け付け、2人はただちに保護され、山下はわいせつ略取や強姦などの疑いで逮捕されたのである。

会ってはならない3人

「山下は、この事件が原因で最近まで服役していた。天池とは、今年の2月ごろに出会い系アプリで知り合ったらしい」(県警詰め記者)

天池と山下は車で放浪生活を送っていたが、20代の女性にナイフを突きつけて車内に監禁。天池が現金2万円を盗み、山下が性的暴行を加えたとして、監禁や強制性交などの疑いで4月に逮捕されていた。


「その際、天池が3月ごろに門田さんを殺害し、死体を東浦町の畑に埋めたと話したことから、今回の事件が発覚したのです」(同・記者)


事件は、これで終わらなかった。


被害者が門田さんだったと分かって、地元の関係者は仰天。実は、門田さんも19年2月に発覚した傷害致死と死体遺棄事件の容疑者グループの1人だったのだ。


「同居していた当時31歳のデリヘル嬢に暴行を加えて死に至らしめ、主犯格の女に命じられて死体遺棄を手伝うなどして逮捕されたのが門田さんだったんです」(名古屋地裁詰め記者)


しかし、検察が〝事件当日に外傷性脳障害を引き起こすような暴行があったこと〟を立証するのに失敗。門田さんは、傷害致死については無罪となり、死体遺棄などの罪で懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡されて釈放されていた。


「事件後、門田さんは実家のある稲沢市に戻り、高齢の父親と2人で暮らしていたそうです。天池と知り合ったことで、せっかく更生しようとしていた人生が再び暗転。どこで天池と接点を持ったのか、なぜ殺されることになったのかなど、詳細はまだ分かっていません」(同・記者)


会ってはならない3人が、会ってしまったがゆえに起きた事件。後味の悪さだけが残る顛末だ。