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『野菜マシ』注文に尻込み!? 家計の味方“もやし”もついに値上げか

食料品の値上げラッシュの波は、低価格で栄養価があることから〝家計と食卓の優等生〟といわれるモヤシにまで波及している。


ラーメン、焼きそば、炒め物、韓国料理のナムルなどの具材として多岐にわたって活用されるモヤシは、低カロリーの割にビタミン類、食物繊維をバランスよく含み、栄養価が高いことから平安時代には薬草として使用された歴史がある。


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「食材としてのモヤシは江戸時代、長崎に漂着した異人が栽培方法を伝えたことで流通するようになった。モヤシは光がない環境でも栽培できることから、第二次世界大戦中には潜水艦内で栽培されていたんです」(生産者協会関係者)


モヤシは気候に左右されないため、2010年以降の10年間で一般的な1袋(200グラム)の平均価格は29円〜31円を行き来し、あまり値段に変動はなかった。総務省が2月に発表した小売物価統計調査によると、東京都区部の1袋の平均価格も32.6円だった。


「モヤシ生産関係者は〝40円程度が適正価格〟と訴えていた。その理由は、モヤシの原料となる緑豆の激減と原油高騰です」(フードライター)

仕入れ値高騰で仕方なし

緑豆は約9割を中国からの輸入に依存していたが、中国の栽培農家が緑豆を作るよりトウモロコシなどの穀物を栽培したほうが利益になるとして生産が激減、輸入が大幅に減ったのだ。

「モヤシを育てるための温度管理には、機器を動かす燃料も必要となる。世界的な原油の高騰など、すべての生産コストが上がっているため、1年前と比べて5割近く値段が上がっているケースもあります」(同)


東京・千代田区で大人気の町中華店は「うちはモヤシそばと炒め物がよく出るため、1日の使用量は5キロ以上。仕入れ値の高騰は厳しい」と悲鳴を上げている。


また、低価格で満腹になる「二郎系ラーメン」も〝野菜マシ〟などでモヤシを山盛りにするため、値上がりは痛手だ。


もっとも、「これまで安すぎた。生産者を守るためには仕方ない」という声もあるだけに、モヤシの値上げは許容範囲内か。