テレビ朝日が大勝負に打って出る。10月期の番組編成において23年の歴史がある木曜午後8時のドラマ枠『木曜ミステリー』を終了させ、バラエティー枠に舵を切るのだ。7月期に放送される上川隆也主演『遺留捜査』第7シーズンが最後の作品になるという。
〝木ミス〟といえば、『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』『おみやさん』『京都迷宮案内』など数々の名作を輩出してきたテレ朝が誇るドラマ枠。なぜ、このタイミングなのか?
「一番は制作費です。東映の京都撮影所を救済する目的でロケをしてきたが、コスパが悪すぎるんです。東京の撮影所なら1収録で1000万円くらいで収まるところが、京都となると、さらにもう1000万円…。スタッフや出演者の足代や宿泊費がかさむんです」(テレ朝編成関係者)
今回、テレ朝が制作費以上に重要視した要件がもう1つあるという。広告界から〝シニア・チャンネル〟と揶揄されている視聴者層の改革を目指しているのだ。
「テレ朝のドラマやバラエティー番組の主な視聴者層はFM3・4層と言われる50歳以上がメインなんです。本来ならスポンサー受けするコアターゲット(13〜49歳)の視聴者層が欲しいわけです。特に、FM4層などの年金世代は金を遣わない。まさに〝木ミス〟はシニア層から熱狂的に支持されていた。テレ朝はシニア層を切り捨てる戦略に走ったわけです」(事情通)
コロナ禍でコア層がジワリ上昇
そうした中、ドラマ界で奇跡の女優と崇められているのが『科捜研の女』でおなじみの沢口靖子だ。本来なら4月7日で最終回を迎えた『科捜研の女・シーズン21』を以てドラマは終了する予定だったのだが、なんとこの10月に継続が決まったのだ。
「10月放送から月曜21時枠に移動して、シーズン22が3カ月放送される予定です。しかも、視聴率次第では来年7月か同10月にシーズン23が放送される。まさに奇跡ですよ」(同)
なぜ、『科捜研の女』が生き残れたのか。
「『科捜研の女』の視聴率は世帯で10〜12%台をキープしているうえ、最近はコア視聴率(13〜49歳)がジワリ、ジワリ上昇しているんです。理由は中高生や大学生の視聴者が激増したこと。コロナですよ。授業はリモートだから自宅で『科捜研の女』の再放送を視聴していたんです。シーズン21もあるから再放送しても作品が被ることはない。ダラリ、ダラリと再放送を見ている内にコア層がすっかりファンになってしまったというわけです。ただ、不思議なのは『相棒』に関してはコア層は増えていない。恐らく、沢口演じる榊マリコのコミカル感が受けたんだと思います」(同)
マリコさまさま。
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