金正恩の“愛と涙”には要注意!? 落涙後の残虐行為…過去には叔父を処刑
北朝鮮国民は、金正恩総書記の「愛」の発信と「涙」にだまされてはいけない。米政府系ラジオ『フリー・アジア(RFA)』によると、平壌市内で進められている住宅建設に動員された兵士に対して、中国製ワクチンの接種が行われたが、それには「最高尊厳(正恩氏)が下さった愛のワクチン」という仰々しい名が付けられていたという。
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「新型コロナウイルスの感染が拡大する中、北朝鮮の国営テレビは5月27日、正恩氏の自宅の常備薬が国民に配られ、人々が次々に回復したと報じました。取材を受けた人が『これは元帥様が送ってくださった〝愛の不死薬〟です』と、涙ながらに感謝する様子まで放送されたのですが、このネーミングが笑えるのは、韓国ドラマ『愛の不時着』とハングルの発音が極めて似ていること。北朝鮮でも厳罰承知で密輸DVDを見た人も多いですから、密かな話題になりました」(北朝鮮ウオッチャー)
6月2日には北朝鮮外務省のウェブサイトが、英国のエリザベス女王の誕生日に際して、正恩氏が祝電を送ったことを明らかにした。
実は北朝鮮国内では、英国のMI6(秘密情報部)や米国のCIA(中央情報局)がエージェントを使って諜報活動をしており、5月に実施された平壌のロックダウンは、コロナ禍に乗じて〝ネズミ(スパイ)〟を見つけ出すためだったとも言われている。
「女王に祝電を送った真意は、英国の諜報活動を把握しているという正恩氏のメッセージだった可能性もあります」(国際ジャーナリスト)
無慈悲な方法で叔父を殺害
現在の北朝鮮は世界に類を見ない2年以上の「ゼロ・コロナ」を実現させ、それを指導した正恩氏を称えるムード一色だ。死亡者は6月2日現在で計70人、致死率はわずかに0.002%で、これは日本(0.35%)や韓国(0.13%)はもちろん、世界的に見ても最も低い致死率で、他国を圧倒している。西側諸国のワクチン提供を拒否し、劣悪な衛生環境と慢性的な栄養失調により、国民の免疫力が低い北朝鮮で、果たしてこの数字の達成が可能なのか。そんなことがあるはずはない。
「つまり『愛のワクチン』にしても『愛の不死薬』にしても、コロナ禍まで政治利用しようという思惑が浮かび上がるのです」(同)
5月19日、軍人の玄哲海元帥が死去した際には、遺体が置かれている霊安室を正恩氏が訪れ、すすり泣く場面がこれでもかというくらいニュースで繰り返し流された。玄氏の葬儀は国葬だったが、ここでも正恩氏は落涙に次ぐ落涙だった。
しかし、落涙の後には残虐な「殺りく」が待っている。正恩氏の中では愛と殺りくが、何の矛盾もなく同居しているのだ。
「2011年12月、父親の金正日総書記が死亡した際、公式の場に初めて姿を現した20代の正恩第1書記(当時)は、人目もはばからず涙を見せていました。それからちょうど2年後の13年12月、人体の造形が失われるほど無慈悲な方法で、叔父(父親の妹婿)殺しを平然と行ったのです」(在韓日本人ライター)
15年の旧正月には、初めての訪問地として平壌育児院を訪れ、ここでも涙を流しているが、その2年後の17年2月には、マレーシアのクアラルンプール国際空港で、異母兄である金正男氏に化学兵器のVXガスを噴射して暗殺。長男の漢率氏を孤児にした。
核実験を強行する可能性も
こうして振り返ると、正恩氏の落涙は死を呼ぶ〝伝家の宝刀〟と言える。そこで危惧されるのが、死去した玄氏への涙の後、実施されるかもしれない7回目の核実験だ。「米韓当局は、豊渓里核実験場の3番坑道の修復工事が事実上完了し、核起爆装置の作動試験も終了していることから、正恩氏が決断さえすれば、いつでも核実験ができる状況にあるとみています」(軍事ライター)
北朝鮮はバイデン大統領が日本から帰国の途に就いた5月25日、平壌の郊外からICBM(大陸間弾道ミサイル)と短距離弾道ミサイルなど合わせて3発を発射した。
「6月2日、米韓をはじめ世界48カ国と欧州連合(EU)は、北朝鮮がジュネーブ軍縮会議の持ち回り議長国を務めることを強く批判する共同声明を発表した。すると北朝鮮は3日後の5日午前、韓国を射程内とする8発の短距離弾道ミサイルを発射している」(同)
一方、韓国軍の合同参謀本部は6日、米韓連合軍が同日午前4時45分(日本時間)から約10分間、ATACMS地対地ミサイルなど8発を日本海に向けて発射したと発表。朝鮮半島をめぐる情勢は緊迫の度合いを強めている。
「6月は北朝鮮の記念日が目白押しですから、いずれかの日に核実験を強行する可能性が高いでしょう」(前出・北朝鮮ウオッチャー)
北朝鮮が米韓連合軍の圧力の前に萎縮し、核実験を自制するかどうか大いに注目されるところだが、「愛」「落涙」後の〝残虐行為〟の法則からすると、何かを起こすに違いない。
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