
参院選を前に深まる溝…自民党を揺るがす安倍元首相“比例阻止”の陽動作戦
6月22日公示、7月10日投開票予定の参院選を前に、圧勝と見られていた自民党に大逆風が吹き始めた。他でもない、細田博之衆院議長の発言とセクハラ疑惑報道で永田町が大混乱に陥っているためだ。
「この騒動の本質をズバリ言うと、安倍晋三元首相と岸田政権の暗闘だ」(自民党幹部)
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その核心に触れる前に、そもそも細田発言、そしてセクハラ疑惑とはどんなものか、一連の騒動を振り返ってみよう。
「2014年の衆院選で都市と地方で『1票の格差』が大き過ぎるとして、最高裁大法廷は違憲状態の判断を下した。そのため米国の第6代大統領・アダムズが考案したとされる格差是正案『アダムズ方式』が概ね与野党合意の下、議席10増10減案で動き出した。現在、衆院選挙区画定審議会が6月25日までに区割り変更案を岸田首相に勧告し、改革案が可決され新法が成立する大詰めの段階です」(全国紙政治担当記者)
ところが、昨年暮れ頃からアダムズ方式導入の言い出しっぺといわれる細田氏が10増10減案に〝待った〟をかけたのだ。
「細田氏は2016年衆院本会議で、アダムズ方式を採用する与党提出法案の趣旨説明を行った当人ですよ。それが突然、『頭で計算した数式で地方の政治家を減らすのはおかしい』と異論を唱え始め、今年に入りエスカレートさせている」(同・記者)
各雑誌がセクハラ立証に乗り出した…
これにとどまらず、細田氏は「議長でも歳費が月100万円で少な過ぎ。だから国会議員を多少増やしても罰は当たらない」と議員増案にまで言及。円安や値上げで生活に汲々とする庶民の間から「何を考えている」「守銭奴!」などと、猛反発をくらっているのだ。さらに、細田氏が世間の注目を浴びることになったのが、『週刊文春』で報じられたセクハラ疑惑の数々。
「女性記者に細田氏が『添い寝をしたら(重要な情報を)教えてあげる』と言い寄ったという話や、深夜に呼び出した女性記者に『愛してるよ』と迫ったなどといったセクハラ証言が続々と伝えられた。細田氏は〝事実無根〟として、訴訟も辞さない姿勢を示している」(夕刊紙記者)
細田氏は東大法学部卒、1967年に通産省に入省した官僚。86年に退官し、父親である細田吉蔵元運輸相の議員秘書を経て、90年の衆院選で島根県全県区から出馬し初当選した。
では、細田騒動が安倍元首相VS岸田政権の暗闘と捉えられている背景だ。先の自民党幹部が解説する。
「衆院選出馬に際し、博之氏の背中をプッシュしたのが安倍元首相の父・安倍晋太郎元幹事長だった。以来、当選11回で幹事長を務めるなど自民党の重鎮となった。衆院議長にまで上り詰めたのも、晋太郎氏の息子・晋三氏の後ろ盾があってこそ。細田氏は安倍家には足を向けて寝られないほど恩義を感じていて、安倍氏の首相時代は最大派閥の長として安倍氏を支え続けた。しかし、安倍氏は10増10減の選挙法改正で窮地に追いやられつつある。それを安倍氏から相談され、細田氏は本来、中立であるべきはずの衆院議長なのに『噛ませ犬』となって、10増10減に猛反対の動きを強めたとされます」
比例に安倍氏を回す!?
党幹部が指摘する「窮地」とは、10減対象に安倍氏の選挙区である山口県が入っているためだ。「山口県は現在の4選挙区から3選挙区となり、1減になるかもしれない。1区は高村正彦元副総裁の地盤で、高村氏の長男の高村正大氏が引き継いでいる。2区は安倍氏の実弟・岸信夫防衛相が12年以来、連続当選で動かせない。3区は昨年、くら替え当選を果たした岸田派の林芳正外相で、4区が安倍氏。定数3なら3区と4区が統合される可能性が最も高い。そうなれば、安倍氏か林氏のどちらかが比例に回ることになる。林氏はポスト岸田の有力候補。党最大派閥の安倍派の長といえども、一丁上がりの安倍氏が比例に回される公算が大なのです」(自民党ベテラン秘書)
首相再々登板や院政を狙う安倍氏にとっては一大事。その危機を脱するには、10増10減潰しが手っ取り早いというわけだ。
「安倍氏は岸田氏にも『10減を何とかならないか』と打診したようだが、岸田氏は無視したというウワサがある。安倍氏が比例に回り、選挙区を失ったら影響力は激減だ。岸田政権への揺さぶりで安倍氏が衆院議長である細田氏をけしかけたと見ている」(自民党長老)
岸田内閣の支持率は68.9%(FNN世論調査、5月)で発足以来、最高となった。来る参院選でも自民党圧勝が予想される中、細田騒動で風向きが変わりつつあるという。
「細田騒動を野党は徹底追及、場合によっては議長不信任決議案を出す構えだ。今の時代、セクハラ疑惑が事実なら取り返しがつかないほどの痛手だ。自民党に大逆風となりかねない」(前出・自民党幹部)
5月17日に開かれた安倍派の政治資金パーティー。岸田首相は「我が党の最大、最強の政策集団、自民党の屋台骨」と最大限持ち上げたが、翌日の岸田派同パーティーを安倍氏と高市早苗政調会長は欠席した。
安倍派の乱が始まった。
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