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JRA重賞『安田記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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「よっしゃー!」と、ご近所迷惑承知でテレビ観戦の最中、雄叫びを上げた今年のダービーであった。

いやあ、昨年も、シャフリヤールから馬連&3連複ダブル本線ゲットでガッツポーズをしたっけなあ、と甘い回想にも耽った。どんなレースでも当たれば嬉しいのだが、ダービー及び有馬記念の的中は嬉しさ2倍、また格別である。

いたずらに馬齢を重ねると、あと何回ダービーを観ることができるだろう、というのは競馬オールド・ファンには深刻な命題でもあり、生きる励みにもなるのである。現在第89回を数えたダービーだが、少なくとも、何とか第100回までは見続けたい、それが競馬に歩いて行ける距離の府中に移り住んで30年余が経つ自分の小さな目標だと、勝手に思っている。

加えて、今年のダービー・デーは、個人的には古希のバースデーでもあったので、それを的中で記念できて喜びひとしお、当日夜はしこたま痛飲して、何度もレースを思い返したっけ。武豊ドウデュースよくやった! 50代でダービー制覇の前人未踏をやってのけた武豊は〝中高年の星〟〝オジサンの鑑〟なり。まだまだ若いモンには負けんわい、と我々凡人高齢者を鼓舞してくれた。

一方、ルメール大将は惜しかった…。でも、これでオークスに続いて〝大外巧者〟であることを万人に認めさせただろう。今後ルメール騎乗馬が大外でも、減点の必要ナシ? そして田辺アスクビクターモア、頑張ってクビ差3着に入り、当方の馬券的には、偉い! 先週の文中で「ダービーは内枠有利は定説である。その念願の(?)内枠③に入った田辺アスクビクターモアも皐月賞5着からの逆転を意識したい。ダービーに縁の深いディープインパクト産駒の中では、この馬が筆頭だろう」と書いて、本線的中の一翼を担ってくれた。

対照的に、4着川田ダノンベルーガは…何と1番人気に押し上げられたことが〝不幸〟なのか、残念な結果となった。とはいえ、わが馬券は特に3連複を厚目に買っていたので、払戻金4570円はオイシイ。もしダノン3着なら3ケタ配当でトリガミだったところ。アブナイ、アブナイ。〝GⅠの中のGⅠ〟レースだけに、普段より太い勝負をしたので、さかのぼってオークス、ヴィクトリアマイル、フローラSの負け分ぐらいは取り戻せた。あとは高松宮記念、大阪杯、桜花賞、皐月賞のマイナスを取り返せば、収支イーブンとなる。今月中に実現だあ! と意気込んでみた。

ダービー1、2、3着騎手で再びワン・ツー・スリー!

その6月の初っ端が安田記念である。これはもう、本来ならシュネルマイスターで鉄板! と言いたいところ。ただ、どうしても〝頭鉄板!〟と言い切れないのは今年の〝平地GⅠ・1番人気連敗地獄〟のせいである。直近を見ても、セリフォス、レイパパレ、サークルオブライフ、ダノンベルーガ…と1着どころか馬券圏内にも入らず死屍累々。この安田記念でも1番人気は4年連続で馬券に絡んでいるが、優勝馬はナシ。そこでまずはシュネル逆転候補の筆頭として、対抗印に田辺イルーシヴパンサーを挙げよう。ダービーでも田辺は波乱を演出したことだしね。

続いて3番手には近年出番が多い牝馬勢の中で武豊ファインルージュを。偶然だが、ダービー1、2、3着騎手が今回ボクの上位3頭に乗る。再びワン・ツー・スリーとなったりして。あとは岩田望ヴァンドギャルド、浜中ソウルラッシュ、池添ソングラインまでか。ある程度人気になりそうな馬ではダートGⅠ馬福永カフェファラオ、スプリントGⅠ馬丸田ナランフレグの〝異種からの挑戦〟も話題だが、馬券的には?? 横山武レシステンシアはまだ太そうだし、レーン再騎乗で注目のサリオス、3歳馬で勇躍挑戦の藤岡佑セリフォスなど軽視したい。

〝映画連想馬券〟は、対抗に挙げたイルーシヴパンサーから『ピンクの豹』(63年)はいかがか。ご存じ〝ピンクパンサー〟シリーズの記念すべき第1作で、あのユーモラスなテーマ曲は、泥棒事件報道のバック曲によく使われたりしている。希代の宝石泥棒とドジな警部の攻防というルーティーンは、この第1作が起点となっている。ちなみに〝ピンクパンサー〟とは怪盗の異名ではなく、彼が狙う宝石の名前。高校生の頃、名画座で観て、宝石より美しいヒロインのクラウディア・カルディナーレにクラクラした記憶がある。

最終的な買い目は、⑨から②⑦⑧⑬⑭馬連&3連複、⑧から②⑦⑬⑭馬連&3連複。⑨からは厚めに、とはいえ、ダービーではないので通常のGⅠ程度の投資で。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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