オートレースは、どのスポーツより天候に勝敗が左右される競技である。晴れ(良)ならば絶対的な本命が、雨(湿)が降ろうものなら、車券が紙くずに変わってしまう選手もいるくらいだ。
そんな天候にデリケートな選手も少なくないのだが、川口オートの加賀谷建明は天候に左右されない。いや、雨での信頼度は晴れ以上である。
先の『SGオールスターオートレース』優勝戦では、1番人気に推された。前日、準決勝を突破した段階から「優勝戦は雨がいい」と希望を口にしていた。望み通りの雨での決戦。「周囲から獲れるよ! とハッパをかけられ…。でも、序盤の位置取りを失敗しました」と反省しきり。終盤追い込むも勝負は決していた。
雨でのレースが必然的に増える梅雨の季節
「年末スーパースターに向けてポイントを取れましたし、SG優勝戦3着という結果は納得しているけど、やはり悔しさもありますね」
しかし、SG優勝戦で1番人気を背負うという大きな経験値を得たのは間違いない。
これから関東は梅雨の時期となる。例年通りなら、雨でのレースが必然的に増える。6月は地元普通開催3節(2日~、18日~、22日~)と、月末の『GⅠキューポラ杯』が控えている。
大変な稼働日程だが、どこまで勝利を蓄積するか? 追いかけたい1カ月である。