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AVの“本番禁止”を目指す立憲民主党に疑問の声「そんなことしたら闇に潜るだけ」

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与野党超党派議員による「アダルトビデオ出演被害防止・救済法案」(AV新法)についての審議が、5月25日の衆院内閣委員会で行われ、立憲民主党の堤かなめ衆院議員が〝性行為を伴うAV禁止〟を目指すことを表明した。

堤議員は、「性行為を伴うAVの禁止については、立憲民主党として、この法律とは別に別途検討を続けることが可能と考えますが、いかがでしょうか」と質問。

これに、同党の森山浩行議員が「このことは別に性行為を伴うAV自体の禁止について検討を続けることを、なんら妨げるものではございません」「今後も立憲民主党として、支援団体の方々と共に議論をしながら検討を続けることはもちろん可能」と答えたのだ。

さらに堤議員は、「映画やテレビで殺人のシーンがあったとしても、あくまで演技であって、撮影の際に実際に人を殺すことはありません。しかしながら性行為については実際に撮影現場で行われることもあると聞いております」と指摘し、「この場合、妊娠や性感染症、うつやPTSDなどの危険性がある」と持論を展開した。

現場で働く人の声を無視した法案作り

この堤議員の主張に、ネットでは賛否両論が飛び交っている。

《どうせモザイクかけるんだから、実際に挿入しなくてもいいと思うんだけどね。どっちも演技でアエいでいるわけだし》

《立憲って本当にズレてるよなぁ。そんなことしたら闇に潜ってさらに性的搾取が増えるだけだろw》

《最初から擬似と分かっていたらちっともエロくないじゃん。今さら何言ってんだよ》

《そもそも殺人はれっきとした犯罪だろ。なんで性行為と一緒にしてるんだよ!》

《同意の上で契約したなら本番でもいいんじゃないの? それより違法風俗とかパパ活を取り締まる法律作れよって思う》

《そもそも昔は擬似だったからね。無理に本番しなくてもいいと思う》

AV業界の関係者が言う。

「かつての自主規制機関『日本ビデオ倫理協会』は、3分以上の連続した性交描写を許可しておらず、ハードコアの表現を規制していました。ところが、その反動で裏ビデオが大流行したため、規制が緩和されて1980年代ごろからは〝AVでの本番〟が定着してきた流れがあります。これを禁止すれば、また元の木阿弥になりかねません。立憲民主党は〝テレビや映画の殺人シーン〟と同列に語っていますが、そもそも合意の上での性行為と凶悪な犯罪行為を一緒にしてもらっては困る。きちんと撮影内容を理解した上で出演している女性がほとんどだということも理解してほしい」

26日には、AV業界で働く人たちが国会内で集会を開き、「現場で働く人の声を無視した法案作りは問題だ」と主張。現役のAV女優は「経済面や精神面で苦しんでいる人が業界に流れてくる」とした上で、「社会の問題を責任転嫁しているのではないか」と憤り、福祉支援などを求めた。

性的搾取や出演強要は絶対に許されることではないが、もっと時間をかけて議論を尽くす必要がありそうだ。

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