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JRA重賞『日本ダービー』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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再び参ったなあ…。先週のオークス予想もまた、1~4着馬を〝全消し〟してしまったヴィクトリアマイルほどではないにしても、レーン騎乗の2着馬スタニングローズが無印なのだから〝準・節穴予想〟と言われても反論できない。10番人気の馬だから仕方がないだろう、とは居直れない。軸の福永エリカヴィータは9着、準・軸の川田アートハウスが7着…と掲示板にすら乗らないのでは、惜しくも何ともない。

それにしても勝ったスターズオンアースの鞍上のルメール大将は、もう今年が4カ月半も経つのに、このトップジョッキーが、いまだGⅠはおろかGⅡ・GⅢも勝っていない異例さだったが、ついにその長いトンネルを脱した。それもいきないGⅠとは、やはり華やかさが似合うね。〝平地GⅠ未勝利地獄〟の1番人気かと思われたら、3番人気に留まって重圧から解放されたのが功を奏したのか、自身の重賞未勝利の呪縛、大外18番枠の不利もはねのけたのは立派! 僕もそろそろ抜け出したい…。

で、勢いに乗ったルメール大将がダービーもイクイノックスでブッコ抜くのか、というとコトはそう単純ではないだろう、と思うのがヒネくれたオッサンの見解だ。1番人気になるのなら、よけいイヤな予感もする。さらに、馬番が発表されたらまた大外だもの。

イクイノックスは皐月賞大外で2着、ルメールはオークスで大外でも優勝、とむしろ〝吉兆〟と言えないこともないが、不利は不利だろう。それと〝オカルト馬券〟的には、夏の参院選に出馬予定しているのが元〝オニャンコ〟の生稲晃子氏だから、菅原オニャンコポンと、〝イクイナ〟ならぬこのイクイノックスがクサい、という説もあるが、果たしてドーだか、眉に唾をつけたい気分ではあるね。確かに、イクイノックスは長距離適性がありそうだが、父キタサンブラックは15年のダービーでは6番人気14着と惨敗しているのが気になる。長距離で活躍するのは、父同様に秋以降ではないか、と勘ぐる次第。さらに言うなら皐月賞を約半年ぶりで2着に激走! の反動、いわゆる〝二走ボケ〟がありそう、とも読んだりもする。

“本家・ダービー男”武豊のドウデュース!

代わりに浮上するのは、〝近年のダービー男〟福永が乗るジオグリフ、と言いたいところだが、それを差し置いて、ここは〝本家・ダービー男〟の武豊ドウデュースをまず軸にしたい。皐月賞3着の雪辱を果たせるのか?〝武豊・皐月3着・ダービー制覇〟といえば、98年のスペシャルウィークだろう。武豊自身も今回、それを意識している、と聞く。そして今年のGⅠでは1、2番人気じゃないほうが走る(?)川田が乗るダノンベルーガも皐月4着からの巻き返しなるか、である。しかし、発表された馬番はジオグリフ⑮、ドウデュース⑬、ダノンベルーガ⑫と揃いも揃って二桁番とは、これいかに。ダービーは内枠有利は定説である。

その念願の(?)内枠③に入った田辺アスクビクターモアも皐月5着からの逆転を意識したい。ダービーに縁の深いディープインパクト産駒の中では、この馬が筆頭だろう。ヒモ候補には、アスクはアスクでも、ワイルドだあ! の可能性も無きにしもあらずの最内枠①ゲットの岩田望アスクワイルドモアも侮れない。穴人気になりそうな前出〝イクイナ・オニャンコ〟関連の菅原オニャンコポンあたりは敢えて無視し、②番枠の幸セイウンハーデスを挙げておこう。今年前半お世話になったビーアストニッシド、マテンロウオリオンは、さすがにここでは…と、涙を飲んで切り。恩知らずな人間でスミマセン。

〝映画連想馬券〟は、ドウデュースの〝デュース〟はテニスなどの専門用語で、昔は〝ジュース〟と読んでいたアレ。そこから連想して、同じくスポーツ用語が題名に付いた『マッチポイント』(05年)をチョイス。最近は活動が封じられているウディ・アレン監督作の中では、近年では個人的には一番好き。ヒロインがパツキン美人スカーレット・ヨハンソンということも大きいけどね(笑い)。野心家のテニス・プレイヤーとその愛人による運と欲望の物語で、まさにマッチポイント=ボールがネットに弾んで、向こうに落ちるか、手前に落ちるか、で天地の差。勝敗は運が決め、人生はコントロールできない…ゴール前のクビの上げ下げ、ハナ差勝負にさも似たりの競馬にも通じるものがある。示唆に富んだ名作ですぞ。

最終的な買い目は、⑬から①②③⑫⑮⑱へ馬連&3連複。⑫から①②③⑮⑱へ馬連&3連複。去年はシャフリヤールから歓喜の馬連&3連複大勝利だった。今年はダービー当日の29日はズバリ、ボクの誕生日だけに勝手に盛り上がっている。絶対当てたい!!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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