田中将大 (C)週刊実話Web
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楽天・田中将大にヤクルト移籍説浮上! 本社大赤字で広がる波紋…

携帯通信事業の巨額赤字で楽天の三木谷会長は、グループ全体のコスト見直しに舵を切った。


最下位に転落したサッカーJ1・ヴィッセル神戸の経営から退く方針を一時表明し、動揺の声があがった。また、プロ野球の東北楽天も年俸9億円のマー君を「ヤ軍」に放出する方針だという。といっても、リリース先は、ヤ軍はヤ軍でも大穴「東京ヤクルト」!?


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5月21日、湘南ベルマーレとの〝裏天王山〟に1対2で敗れ、ヴィッセル神戸がJ1の最下位に転落した。楽天グループの総帥・三木谷浩史会長は「この結果に大きな責任を感じています。申し訳ない。(中略)いつでも身を引き辞めますよ」と、自身の進退について言及。その後、続投を明言したが予断を許さない状況だ。これがプロ野球界にも波紋を広げている。


2004年に私財を投じて、神戸のオーナーに就任。その後、楽天本社が全株式を取得すると、元スペイン代表のA・イニエスタを年俸32.5億円で獲得したのをはじめ、元ドイツ代表FWのL・ポドルスキや、日本代表にも名を連ねた大迫勇也、武藤嘉紀、槙野智章などの大型補強を続けてきた。


「三木谷会長が神戸の経営から手を引けばイニエスタの契約維持は困難で、Jリーグにとっても深刻な事態。背景にあるのが、楽天グループが今月発表した1~3月期の最終損益914億円。携帯電話事業が1350億円の赤字で、グループ全体の足を大きく引っ張った。傘下の東北楽天ゴールデンイーグルスも他人事ではない。さっそく球界最高年俸の田中将大のリリース説が囁かれている」(スポーツ紙デスク)


昨季は8年ぶりに復帰した日本プロ野球への対応に追われ、4勝9敗と期待を裏切ったが、今季は早くも同じ勝ち星数4勝目を挙げ、防御率も1.85(5月25日現在)。「マー君復活」で5月の楽天は球団新となる11連勝を飾り、首位を快走中。そこに「田中将が優勝を置き土産に〝ヤ軍に転身〟」という情報が流れ、チーム内外に衝撃が走っている。

東京なら単身赴任も解消か…

楽天は昨年1月、田中将と年俸9億円プラス出来高で2年契約を締結。メジャーリーグの代理人筋によれば、満了後の選択は田中将が優先権を持つという。三木谷会長がヤンキース復帰を願う田中将に配慮したことが背景にあるが、楽天グループの業績悪化でリリースの流れに拍車がかかった。

「新たな移籍先は、ヤ軍はヤ軍でも、古巣NYヤンキースではなく、東京のヤクルトスワローズ。メジャー復帰を諦めたわけではないが、今季のヤンキースは先発5人が好調で地区の首位をキープしており、古巣復帰は困難。一方、夫人でタレントの里田まいと2人の子供は神宮球場に近い都心のマンションで生活しており、ヤクルト移籍が浮上したのです」(田中将の側近)


仙台に本拠を置く楽天で、単身赴任は珍しくない。石井一久GM兼監督夫人の木佐彩子アナは基本的に東京で生活しているし、涌井秀章投手の妻でタレントの押切もえも同様。移籍組の多くが子供の教育面を考え二拠点生活を送っている。


田中家では2人の子供がニューヨークで出生。2年前に日本に戻ってからは、上の子は英語で会話をする都心のプリスクールに通い、今春、小学校に進んだ。下の子の教育も考えると、この先も仙台へ引っ越すのは困難が伴う。そこで、「自身が家族のもとに移る方針」を固めたのだという。


「ヤクルトは懸案だった新神宮球場の建設が2028年となり、完成は31年、使用は32年シーズンと決まっています。一時は新潟や静岡などへの暫定的な本拠地移転が検討されましたが、すべて解消。おかげでヤクルト球団には年俸10億円超で田中将を迎える資金的な余裕が生じ、コロナ後を見据えて大攻勢に転じたのです」(ヤクルト担当記者)

楽天もヤクルトもwin-winの関係!?

荒川の河川敷にあった二軍の戸田球場(埼玉県)も、誘致の提案があった茨城県守谷市への移転が決まり、2026年にはスワローズタウンが完成する。秋葉原駅からつくばエクスプレスの快速で約30分。常磐自動車道を使えば、神宮球場まで1時間もかからない。昨季優勝し、今季もV争いを展開するなど、今もっとも勢いがある球団がヤクルトなのだ。

東京移住なら、巨人へのトレード移籍という選択肢もある。しかし、巨人には球団歴代最高年俸の菅野智之(8億円)がおり、バランスに混乱が生じてしまう。また、釣り合う交換選手もいない。そこで同じヤクルト出身でメジャー経験者の石井=高津臣吾監督ラインで、ヤクルトへ実質譲渡の流れができたのだ。


ヤクルトには、田中将が駒大附属苫小牧高から楽天に入団した際の同期で女房役を務めた嶋基宏が、コーチ補佐兼任で活躍中。主砲の山田哲人と村上宗隆は侍ジャパンの仲間。完全試合を成し遂げたロッテ・佐々木朗希のライバル、奥川恭伸の成長にもつながり、受け入れの環境は整っている。


楽天にも、田中将リリースのメリットはある。球団総年俸の削減だ。


折しも先週、プロ野球選手会が公表した球団別の今季平均年俸(外国人選手を除いた支配下選手)で楽天は6035万円と、ソフトバンク、巨人に次ぐ3位。しかし、実質給与を示す中央値(年俸額が30番目の選手)は1150万円でブービー。下は12位の日本ハムだけ。年俸9億円の田中将が全体の年俸を押し上げるいびつな構図が明白となり、「給与が偏っている」と選手間に不満が充満している。


手っ取り早い解決法が、田中将のリリース――。これだけで9億円の財源が生まれ、選手の頑張りに報いることができる。三木谷オーナーが〝日本のヤ軍移籍〟を容認しようとしている理由は、ここにある。