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プーチン大統領…ついに限界状態!? ウクライナ放棄し狂乱“核暴走と日本攻撃”へ

Sasa Dzambic Photography
(画像)Sasa Dzambic Photography/shutterstock

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、5月9日の「対ナチス・ドイツ戦勝記念日」の演説で、ウクライナ侵攻について「戦争宣言」も「勝利宣言」もできなかった。

今後、ウクライナの反攻でロシアは一段と窮地に陥ることが予想され、プーチン氏が見境なく禁断の核兵器使用に踏み切る可能性が高まっている。そして、プーチン氏の魔の手は、ウクライナにとどまらず極東の日本にも及ぶ恐れがある。

戦勝記念日に最も注目されたのが、通称「終末の日の飛行機」と呼ばれるロシア軍の空中指揮機『イリューシン80』だった。核戦争となったときに大統領らが乗り込んで指示を出す航空機で、機体にはコックピット以外に窓がなく、空中給油装置や発電機、ミサイルを防御する電子戦機器、レーダー撹乱装置、電磁シールドなどを装備している。

この『イリューシン80』は、戦勝記念日のリハーサルでは赤の広場上空を飛行したが、9日の本番では悪天候を理由に姿を見せなかった。しかし、大手紙国際部のデスクは「一度飛来しただけでも、ロシアの核攻撃への本気度を示すには十分だった」と話す。

軍事パレードにもICBM(大陸間弾道ミサイル)のほか、核弾頭を搭載できる戦術ミサイル『イスカンデル』が登場し、核の影が見え隠れした。

また、プーチン氏は演説で「ウクライナ政権は、核兵器の獲得があり得ると宣言した」と発言しており、ウクライナの核保有をニオわせることで、今後、核爆発があってもロシアによるものではないと強弁する狙いがうかがえた。

プーチンにとって“敗北や撤退”は死…

侵攻当初から、核兵器の使用について何度も口にしてきたプーチン氏だが、ロシアの戦況が悪化するにつれて、威嚇目的から意味合いが変わってきた。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、西側各国から供与された武器が戦線に投入可能となる6月にも、大規模な反転攻勢に出ると予告している。

そもそもロシアにとっては、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を食い止めることがウクライナ侵攻の大義名分だったはずだが、中立政策を維持してきたスウェーデンやフィンランドがNATO加盟申請を正式決定するなど、本末転倒の事態となっている。

「もうロシアは、普通の戦争では勝てないというのが大方の意見だ。かといって敗北や撤退はプーチン氏にとって〝死〟を意味する。そのため、戦況の打開策として核を使う可能性はますます高まっており、今やウクライナのどこに戦術核を落とすのかといった選択の段階になっている」(前出の大手紙国際部デスク)

広島や長崎の例を持ち出すまでもなく、核兵器の使用は許されるものではない。それによって多数の民間人が死傷するようなことになれば、プーチン氏やロシアの高官が戦争犯罪人となることもあり得る。ただ、すでにいくつもの非人道的行為を非難されており、戦争犯罪が核攻撃の抑止力になるかどうかは分からない。

ロシアには「チェゲト」と呼ばれる核のボタンが入ったブリーフケースがあり、プーチン氏のほか、ショイグ国防大臣、ゲラシモフ軍参謀総長が持っていると推察される。ボタンが押された場合、国家防衛指揮センターの司令官を通じて、戦略ロケット軍や長距離航空部隊などに発射命令が出されるという。

爆発力が大きい戦略核と違って、ロシアが1000~2000発ほど保有しているとみられる小型の戦術核は、より使用へのハードルが低い。軍事パレードでもお目見えした『イスカンデル』の弾頭を換えれば発射可能だが、大砲で発射したり、戦闘機から落としたり、容易な方法で攻撃できるところが恐ろしい。

核武装のない日本は格好の標的

プーチン氏が窮地を脱するもう1つの策が、世界の目をウクライナからそらすことだ。ウクライナの隣国であるポーランドをはじめ、旧ソ連領のエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国が新たな標的になるとの見方もある。

ただ、核保有国の米国や英国、フランスも加盟するNATOの国々を実際に攻撃してしまうと、ロシアも相応の報復を受けて名実ともに壊滅することになる。

「ロシア制裁に参加している国々の中でも、核による反撃能力を持たない日本は格好の標的と言える」(国際ジャーナリスト)

ロシア海軍は2月上旬に、オホーツク海や日本海周辺で大規模な演習を行っており、駆逐艦やフリゲート艦など24隻が確認されている。

また、3月下旬には北方領土を含む地域で、砲兵部隊などロシア陸軍3000人以上が軍事演習を実施した。演習は岸田政権の対応を探る思惑もあるとみられ、対戦車ミサイルの発射準備や無人機による偵察任務などが行われたという。

ロシア軍はウクライナ侵攻で消耗しており、極東まで人員や兵力を割く余裕はないとみられるが、北海道へのミサイル攻撃や空爆などの可能性は残る。

ウクライナ侵攻でも使用された新型の極超音速弾道ミサイル『キンジャール』は、2000~3000キロ先の標的を狙い撃ちできる。北方領土から発射すれば、日本列島のどこが狙われてもおかしくない。

日本は日米安全保障条約で米国の〝核の傘〟に入ってはいるが、核攻撃された際にアメリカが反撃してくれるのかは不透明だ。たとえウクライナがロシアの侵攻を阻止したとしても、プーチン氏の無謀な賭けが終わるわけではない。

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