自民党の茂木敏充幹事長と日本維新の会の松井一郎代表らが大バトルを繰り広げている。
発端は5月8日、茂木幹事長が維新の本丸、大阪に乗り込み街頭演説で維新を「身内に甘い政党」と罵倒したため。
茂木幹事長は橋下徹元大阪市長を念頭に「創設者がロシア寄りの発言を繰り返している。維新は身内に何も言えない。身内に甘い政党だ」と猛批判。これに対し松井代表は「橋下さんは、維新とは無関係の民間人。言論弾圧だ。薄っぺらい幹事長」と応戦したのだ。
それにしても、突然の茂木幹事長の〝維新叩き〟の真意はどこにあるのか。
「特に、各党が衝撃を受けたのは、参院選の前哨戦と位置づけた4月の京都府議補選の結果です。維新は自民、共産、立民の各党候補を退け勝利した。勢いづく維新は今夏の参院選で改選議席6議席からの倍増、また次の衆院選では立民に代わって野党第1党を奪うと鼻息が荒いのです」(自民党関係者)
今のうちから芽を摘んでおきたい
茂木幹事長が維新を警戒する裏には、自民党内の派閥力学も関係している。
「自民党内で勢いを増しているのが、非主流派の菅義偉前首相グループです。同じく非主流派の二階派と組み近々、70人規模の菅派立ち上げ情報がしきりと流れている。菅氏は官房長官時代から維新と蜜月の間柄。将来、菅派が自民党を牛耳れば、維新と連携の可能性もある。岸田~茂木ラインは主流派から追いやられ、茂木氏のポスト岸田の線は遠のく。今のうちから維新躍進の芽をできるだけ摘んでおきたいのが、茂木氏の本音なのです」(同・関係者)
そこで茂木氏が標的にしたのが、橋下発言だった。
「橋下氏のロシア寄り発言の多さを叩いたわけです。維新は京都府議補選で勝利したものの、最近の維新支持率は下降傾向にある。読売新聞の4月調査でも維新支持率は3月より2%落ちた。他の調査でも軒並み横ばいか下降気味。このため茂木氏は菅~維新ラインの勢いを止めるためにも、ここぞとばかりに大阪で『維新&橋下』批判をしたのです」(通信社政治担当記者)
テツは熱いうちに打て、ということか。
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