京都で不気味な群発地震が続いている。
5月2日に亀岡市で震度4の揺れを観測するなど、3月31日以降、京都府南部でマグニチュード4を超える地震が4回も発生しているのだ。
「約1カ月間で有感地震は8回を数えています。そのうち、7回の地震は震源の深さが13~14キロメートル。非常に狭い範囲に集中しています」(サイエンスライター)
京都で最大の直下型地震といえば、1830年に発生した京都大地震だ。この地震も震源は群発地震が続いている亀岡市でマグニチュード(M)6.5を記録し、280人以上の犠牲者を出したとされる。
二条城や京都御所では石垣や塀が崩れ、町人町では土蔵に大きな被害が出た。亀岡城下や嵯峨野周辺の大覚寺や仁和寺では建物の倒壊の記録があるが、特に大きな被害は嵐山や嵯峨野から奥に入った愛宕山周辺で、山内の寺社が多数倒壊し、地盤が変位したと古文書に残っている。
活断層が連鎖して次々と…
武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏が指摘する。
「これほど京都で群発地震が続くのは珍しい。京都の直下型地震は京都大地震がよく知られています。大地震が同じ震源で発生したという記録はないが、これほど頻発していると、もっと大きな地震に結びついても不思議ではありません」
阪神・淡路大震災が南海トラフの〝先駆け地震〟であることは広く知られている。1605年に発生した慶長地震は南海トラフの1つだが、その約20年前に起きたのが天正地震(1586年、M7.8)である。
「亀岡市で発生した地震は近畿三角帯で起きたものです。近畿三角帯は、福井・敦賀、兵庫・淡路島、伊勢湾海峡を頂点とした三角形で形成された、世界で最も活断層が密集する地帯なのです」(地震研究家)
近畿三角地帯の活断層が連鎖するようにチェーン地震を引き起こすという。
「チェーン地震は圧力を受けた断層が次々に割れることで発生する。特に内陸部で連鎖的に起こり、プレート境界型の巨大地震の前兆となるため、近年、大きな注目が集まっています」(同・研究家)
古都で警戒が必要だ。
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