
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ネット上で霊験あらたかというコロナ除けの「霊符」が頒布され、ひそかに話題を呼んでいる。
頒布元は神奈川県在住の霊能力者M師(仮称)だ。専門は霊視や祈祷だが、戦後最悪の国難を霊能者として見捨てておけず、その霊能力を込めて霊符を創り上げたという。
「この霊符は完全オーダーメード。霊符の力を信じている人にしか効果がありません」(M師)
現在、頒布中の霊符には、お守りタイプと短冊タイプの2種類があり、お守りの中には霊符と清められた塩が入っている。M師によれば「お勧めは短冊タイプ」らしい。
気になる価格は1万5000円(特別価格)で、これまで400人以上に頒布されているという。
コロナ禍の現状を思えば“すがる気持ち”も当然!?
コロナ除けのお守りやお札は、全国の有名寺社でも扱っているが、価格はいずれもリーズナブル。それに比べると1万5000円は高い印象だ。
しかも、ネット頒布であることを考えれば、怪しげな開運商品、さらに一歩間違えれば霊感商法とも言われかねない。
「いまだに返金、苦情などのトラブルはありません。お礼の声もいただいていますが、冷やかしのお申し込みはお断りします」(同)
慌てて予防線を張るM師だが、感染症の流行に際しては、いつの世にも神仏だのみの逸話がつきものだ。
幕末期、江戸で「コレラ(虎列剌)」が大流行したときには、庶民の間に「虎列剌除け」のお守りが大量に出回ったという記録がある。大正時代、スペインかぜが大流行した際にも、似たような話が残っている。
こうなると完全に「信じる者は救われる」の世界だが、ワクチン開発の決定打を見いだせない現状を思えば、霊符にすがる気持ちも分からなくはない?
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IYO / PIXTA(ピクスタ)