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高梨沙羅“北京の大失格”…その後の姿が救った五輪マイナー競技者の気持ち

高梨沙羅
Danny Iacob / Shutterstock.com

この会見コメントに、失意の高梨沙羅はどう感じただろうか。

女子トランポリン選手の森ひかるが〝企業所属のプロ選手〟となった。5月9日の会見で出たのは「高梨へのリスペクト」と、東京五輪で予選落ちした後のビンボー生活だった。

「失礼だが、トランポリンはマイナー競技で、国内競技者も多くありません。森は2019年の世界選手権で金メダルを獲得したものの、知名度はイマイチ。トランポリンのプロ選手なんて、異例中の異例。企業側の理解があってこそと言えます」(スポーツ協会担当記者)

「東京五輪で予選突破できない」となった瞬間、これまで応援してくれた人たちの態度が一変したという。回転寿司のバイトも始めたが、それは競技を続けるためではなく、その日の食事にありつくためだった。

「イヤなお客もいたのでは。彼女はお客の食べた皿の枚数を数えたり、レジ打ちもしていたそうです」(同・記者)

高梨の名誉と今後のために…

〝金メダリスト〟のプライドもズタズタにされる日々を送っていたという森。競技引退も考えたが、高梨のおかげで踏み止まることができたという。

「今年2月、北京冬季五輪で高梨がスーツの違反で失格になり、泣き崩れるのをテレビで見たそうです。失敗を自身の予選落ちに重ね、いろいろと考えていたら、高梨が五輪後のワールドカップに出場したのを知り、『自分も!』と前向きになれたそうです」(関係者)

当の高梨はそのW杯終了後、次年度のスケジュールを聞かれ、また泣き出してしまった。その様子から察する限り、まだ立ち直っていないようだったが、周囲はすでに〝リ・スタート〟に向けて動き始めている。

「全日本スキー連盟は、スーツ検査のやり方について改善すべきとの意見書を国際スキー連盟に提出しました。高梨の名誉と今後のためです」(前出の担当記者)

他競技では資金難で苦しんでいるアスリートも多い。高梨がツラかったのは分かるが、生活苦にまでは追い込まれていないはず。森の言葉をどう受け止めたのか。奮起しなければ、オンナが廃るというものだ。

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