再び〝サラブレッド力士〟たちの輝く時代が到来か――。5月8日に始まった大相撲夏場所(東京・両国国技館)も終盤。今場所も誰が賜杯を抱くのか最後まで分からない熱闘が続いている。
そんな中、ひと際、注目を集めているのが祖父や叔父、父が元力士という二世、三世力士たちだ。現在、祖父や叔父が元横綱という超サラブレッドの力士が幕内に3人いる。
優勝25回、土俵上だけでなく、土俵外でもトラブル続きだった朝青龍を叔父に持つ小結・豊昇龍。優勝5回、「猛牛」という異名を持った琴桜を祖父、関脇・琴ノ若を父に持つ西前頭2枚目の琴ノ若。優勝32回、「昭和の大横綱」といわれた大鵬が祖父、関脇・貴闘力が父という東前頭14枚目の王鵬だ。
三者三様の堂々たる姿
まず序盤、大暴れしたのが琴ノ若だった。この2場所、連続して優勝争いにも加わり、自己最高位を更新した勢いで初日から貴景勝、正代、御嶽海の3大関を連破。これには周囲もびっくり。ところが、「さすがは琴桜さんの孫」という称賛の嵐の中で、琴ノ若に浮かれる様子はない。
「まずは勝ち越し。稽古場でできていることが少しずつ、場所でも出せるようになってきた」
中盤、負けが込んできたが、大物の雰囲気はいっぱいだ。すでに大関に昇進したら琴桜を襲名することも決まっている。
豊昇龍は、三役2場所目。強靭な下半身に加え、今場所は押し相撲にも対応できるようになってきた。6日目、優勝経験もある押しの大栄翔を真っ向から攻め切り、元朝青龍から《良い相撲》とツイートされると、「じゃあ、そうじゃないですか」と笑い飛ばすなど、肝も据わっている。体も大きくなってきており、こちらも期待は大だ。
王鵬は、1場所で十両から幕内に戻って来たばかり。まだ自分の相撲をつかみきれていないが、未開発の素質には底知れないものがある。
「3人ともまだ20代前半。2、3年後には番付上位で活躍しているはずです」(大相撲担当記者)
若貴ブーム再来なるか。
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