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蝶野正洋『黒の履歴書』~ディエゴ・マラドーナの死と年末特番

蝶野正洋『黒の履歴書』
蝶野正洋『黒の履歴書』 (C)週刊実話Web 

サッカー界のスーパースター、ディエゴ・マラドーナが亡くなった。享年60。俺がいま57歳だから、3つしか違わなかったことに改めて驚いたね。

俺はマラドーナの試合を国立競技場で見たことがある。1979年にFIFAワールドユース選手権が日本で開催されて、当時、中学3年生だった俺はそれを見に行ったんだよ。

その頃からマラドーナはすごいテクニックを持った選手だったけど、年が若すぎるという理由で、前年に開催されたワールドカップのアルゼンチン大会の代表メンバーから外された。もし、この大会に出場していたら、通算5度の最多出場記録も取っていたことになる。

実際に見たプレーも、すごかった。マラドーナは脚の長い選手とは違って小柄な体形だけど、ボールが脚に吸い付くようなドリブルでどんどん抜いていくスタイル。俺が子供の頃に憧れたサッカー選手のペレやベッケンバウアーとは違うワイルドなタイプで、新しい時代の到来を予感させた。

その後、82年のワールドカップに初出場。86年のメキシコ大会では「5人抜きゴール」を決めて、名実共にスーパースターになった。

クラブチームでは82年にFCバルセロナ、84年にはイタリアのSSCナポリに移籍して、莫大な契約金が支払われた。南米出身の選手がヨーロッパに渡って大金を稼ぐというモデルケースをマラドーナは作ったけど、そこでいろんな誘惑に負けてスキャンダルに巻き込まれる負のパターンも作ってしまった。

ヨーロッパのサッカーは賭け事の対象となっている。そこにはマフィアが絡んでいて、女や違法薬物といった危険な罠もいっぱいある。アルゼンチンを離れなければ、サッカービジネスの汚い部分に関わらずに済んだろうね。

今年も『ガキ使』から目が離せない!

そういう意味では、かわいそうな感じがするけど、後輩たちにいろいろな不運を教えてあげたというか…その後に南米からヨーロッパに渡った選手たちは、マラドーナの負の部分を反面教師にしたんだと思う。

サッカーに限らず、スポーツビジネスが巨大化していくと、その狭間に落ち込んでキャリアを台なしにしてしまう選手が出てくる。マラドーナみたいにもともと不良みたいなやつで、スキャンダルなんて吹き飛ばすくらいハートが強いほうが世界のトップに立てるのかもしれないが、不祥事一発で人生が一変してしまうことも珍しくない。

複数人との不倫がバレていまだに謹慎しているお笑い芸人も、一度のスキャンダルで人生が変わってしまったな。彼には日本テレビ系のガキ使(ダウンタウンのガキの使いやあらへんで)特番『絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時』で電撃復帰するという噂が流れていた。

俺はこの噂が、ホントかどうか知らない。どちらにせよ、今年もガキ使から目が離せないのは間違いないな。裏番組にはNHKの伝統番組が控えているが、今回はそういった噂の影響もあって、視聴率の歴史が変わるかもしれない…。

ちなみに俺はここ数年、大みそかはガキ使を見ている。面白いし、毎年出演させてもらってたしな。

今年も出演したかって? どうだろう…記憶にはないな。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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