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JRA重賞『NHKマイルカップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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ついに待望の連敗脱出! 馬連&3連複両取り! と威勢だけは良いが、その実情はトリガミ(苦笑)だった、というオチがつく先週の結果であった…。

たかがトリガミ、されどトリガミ。当たりは当たりではある。どうも言い訳が苦しいな。ともかく1、2番人気の受難もやっとこさ解消されたことも、別に本命党ではないのだが、今年ここまでのGⅠが荒れ過ぎたので、ひとまず安堵、と言おう。

その天皇賞・春。当初は1、2番人気とも8枠に入ってしまい、また大荒れの兆し…と囁かれたものだが、終わってみれば1着は2番人気横山和タイトルホルダー、2着は1番人気のわが和田竜ディープボンド、3着は4番人気菱田テーオーロイヤルというカタい決着。スタート直後落馬した川田シルヴァーソニックがカラ馬となって〝幻の2着〟したのはご愛嬌だったが…。馬連520円、3連複1580円という平穏な配当に終わった。

それにしても7馬身差で圧勝したタイトルホルダーの強いことと言ったら…脱帽です。先週の文中で「代わりに軽視するのは、2番人気濃厚な横山和タイトルホルダー。このところ(中略)〝ムラ馬〟気味だし、今回も菊花賞や日経賞のように〝逃げ一頭〟の構図に持ち込めるのか…」と記しているではないか。今となっては〝軽視〟に留めて良かった。〝無視〟していたら、さらに恥の上塗りで連敗街道継続するところだった。ヤバい、ヤバい、と照れ隠しするしかない。

さて、GⅠはまだ休みなく続く。本音を言えば、プーチンが週明けの5月9日〝戦勝記念日〟にどんな言動をするのか、気が気じゃないのだ。〝ガンを患っててヤケくそ〟になるのが怖いし、後釜かもしれないパトルシェフっていう人物も、プーチンと同様らしいし…なんて思い悩んでも詮無いので、敢えて無視して競馬に集中したい。

“映画連想馬券”はエーゲ海に祈りを込めて

NHKマイルCは混戦模様だが、とりあえず中心は福永セリフォスを挙げたい。年末の朝日杯FS2着以来だが、〝テッポウ〟はこの春のGⅠのトレンドだけにハンデにはなるまい。あとは〝NHKマイルC男〟横山典のマテンロウオリオン、アーリントンC勝ちの川田ダノンスコーピオン、NZトロフィー勝ちの武豊ジャングロも加えた4頭ボックスをまず。

セリフォスのヒモにレーンのインダストリア、デムーロのプルパレイの外国人勢(ルメール大将は米国遠征)。特にデムーロはここ4年で3連対。〝新・NHKマイル男〟か? さらに坂井キングエルメス。そして、ずっと買ってるオタルエバーも、無理かな、と思いつつ、今回は〝春の盾男〟横山和に乗り代わりで新味を出してほしいな、と心情票を少し投じたい。

〝映画連想馬券〟は、セリフォスから『エーゲ海の天使』(91年)をチョイス。セリフォスはエーゲ海にある島の名前だそうで、地図を見たら南エーゲ海にあり、ギリシャの大都市アテネの沖合、著名なミロス島の手前にある島のようだ。もちろん行ったことはないが…。〝エーゲ海〟が題名に入った映画で有名なのは他に『エーゲ海に捧ぐ』(79年)などがあるが、面白度から本作にした次第。第二次大戦初期、ギリシャの小島に上陸した8人のイタリア兵は、船と無線機を失い、孤立状態に。彼らは島の人たちと交流し、恋もし、平穏で夢のような日々を過ごすが…というユーモラスで、ヒューマンな佳作で、92年度アカデミー外国語映画賞を受賞している。ドンパチするより、豊かな日常を生きようよ、というメッセージは、今の気分にピッタリだ。嗚呼、何の憂いもなく競馬を楽しみたい!

最終的な買い目は、①④⑬⑱の馬連&3連複ボックスに、④から⑤⑪⑮⑯馬連、①④縛り、④⑬縛り、④⑱縛りで各々から⑤⑪⑮⑯へ。エーゲ海に祈りを込めて、連勝と行きたいものですな。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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