「二階幹事長は菅政権誕生の立役者です。政権発足後も幹事長として党内で辣腕を振るい、一心同体に見えた。しかし、菅首相は二階幹事長の暴走に『ほぞを噛む思いをしている』と、もっぱらです」(同)
その最たる例が、首相の専権事項である「解散権」にまで口を出し始めたこと。
「10月、菅首相の意向を受けたコロナ対策担当の西村経済再生相が第3波防止のため、年末年始17連休を模索した。これに対し、イの一番に噛みついたのが二階幹事長だった。理由は、年末年始17連休では1月冒頭解散の可能性が消えるから。怒りが収まらない二階幹事長の元に西村氏が駆け付け、詫びたほどです。17連休を取り下げさせた二階幹事長は意気揚々となった。11月初めには衆院の解散時期に関して、TBSの番組などで再三『早期解散は可能』との見解を強調、キングメーカーぶりを露骨に出していた。菅首相も、解散に踏み込んだ発言をする二階幹事長を苦々しく思っていたのです」
それだけではない。11月に来日した中国の王毅外相が尖閣諸島の中国領有を再三口にする中、二階幹事長は「仲良く」「来年訪中」など〝媚中ぶり〟をいかんなく発揮し、中国側を図に乗せる役割を担った。
“大嫌い”な小池百合子都知事と手を握る!?
「さらに、ここにきてコロナ第3波の感染拡大が止まらず、すでに安倍政権時の感染状況をはるかに上回っている。誰の目から見てもGoToキャンペーンによるものでしょう。GoToには菅首相のこだわりもあるが、〝観光族のドン〟二階幹事長が観光業界を救済することを強く求めたためだともいわれる。現在は感染拡大に歯止めが利かず、医療体制は崩壊寸前。安倍政権時の『政高党低』から『党高政低』となった今、菅首相周辺から〝二階幹事長を排除しないと潰される〟との声が強まっていた。その矢先に吉川疑惑が持ち上がったのです」
と語るのは菅氏周辺関係者。
「子分の疑惑で二階幹事長もおとなしくせざるを得ない。菅首相は、コロナ感染拡大で総選挙先送りの決断をした。だから、来年1月の通常国会も1月解散が絶望的な18日召集となった。安倍再々出馬が消え、二階幹事長も沈黙すれば、菅首相は自分で政権をコントロールできる」(同)
今後の政権運営の流れはどうなるのか。
「首相は1にも2にもコロナ感染拡大を止めるはず。そのためなら大嫌いな小池都知事と手を握るでしょう。東京五輪も実現させる。そして、インバウンドを再開し、経済活動を活発化させる。OECDは2021年の経済成長率を五輪開催で2.3%としたが、首相は4%まで持っていきたい考え。その上で9月解散に踏み切るでしょう。総選挙で勝てば、いよいよ悲願の本格政権となる」(官邸関係者)
〝卵桜〟で菅首相の高笑いが聞こえてきそうだ。
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