西城秀樹さん (C)週刊実話Web
西城秀樹さん (C)週刊実話Web

西城秀樹…“恋人ナシ”宣言でもチラつく岩崎宏美、河合奈保子、銀座ママの陰【週刊実話お宝記事発掘】

今も昔もNHK紅白歌合戦に出場することは歌手にとって最大のステータスだ。そんな「紅白歌手」たちも生身の人間。華やかなステージの裏側に隠されたドロドロのスキャンダルを当時の『週刊実話』は暴いていた!


●昭和56年12月17日号掲載『紅白スター 男ぐせ女ぐせ』(3)年齢・肩書等は当時のまま【関連】島倉千代子…細木数子さんと“2人3脚の抉別”の陰で【週刊実話お宝記事発掘】ほか

西城秀樹の素顔は、ブラウン管のなかでニコヤカに笑い、派手なアクションでうたい、踊る姿からは想像できないくらい、寂しさを秘めている…というのが側近の証言だ。


「スターであれば、誰もがそうなのかもしれません。だが、仕事を終えホッとしたあとも、ひとりビールを飲みながら、自分のVTRを見つめている秀樹には、もっと別の〝寂しさ〟があるんですね。文字どおり孤独なんです。女ともだちもいないし…」


こういったのもいた。確かに郷ひろみや野口五郎と比べれば、いや比べるまでもなくまじめだ。だが、恋人がいないなんて、とうてい信じるわけにはいかない。ヨイショもいい証言だ、と思い、秀樹に直接あたることにした。九州への公演の途中だった。秀樹はいった。


「いつまで青春、どこまで青春。ぼくの場合は一生が青春のようなものなんです。しかし、ぼくが50歳か60歳になって、自分の人生を振り返ったとき、キラリと輝いてくれるものがなくては寂しいですね。ところが現実には、まだないんです。ほしいと思ったことは、これまで何度も…。でも、仕事との兼ね合いからがまんしちゃう。ある意味での変わり者なのかもしれませんね」


要は、恋人がいないし、デビュー以来ずっと、それは不変の状態だといったのだ。秀樹も、昭和三十年四月の広島市生まれだから、すでに26歳である。いっていることが事実とすれば、なるほど変わり者の印象はぬぐえない。デビューは、四十七年三月だった。


「歌手にならなければ、いまごろ柔道教師かな。それほど柔道が好きだったんです。ケンカも同様で、ガキ大将でした」


小学校六年のとき、恋をした。淡い初恋だった。相手は同級生で、中学生になっても続いたが、法則どおりに消えた、と打ち明ける。

本質的にはやさしい男

初体験は? ポツリと返事した。

「どうしても話せというんですか。話したくないですね。そのかわり否定はしません」


秀樹が公演で地方へ出かけるときには、チーフプロデューサー、スポーツ・トレーナー、作詞家兼マネジャーなどからなるスタッフが必ず同行する。チーフプロデューサーはいった。


「苦労なくスターになった典型のひとりなどとよくいわれますが、あいつには、はいあがってくるガッツがあり、いい加減な苦労をしたのよりも、ずっとすばらしいですよ。たとえばデビューの年。当然入るべき『紅白』にもれましてね。荒れに荒れました。明け方の四時すぎまで、七軒もはしごしたんです。あいつは、それで自己と客観の落差を身にしみて知ったんですね。翌年、大いにがんばり、出場を果たしたんです」


スポーツ・トレーナーにいわせると、秀樹の下半身は、サッカーの釜本選手にそっくりで、肺活量も六千近い完全なスポーツマン型らしい。


だが、若さよりもむしろ老成を感じさせる。


どこを切っても金太郎飴のように優等生の顔が出てくる。芸能界でもみあげられた、生き抜く知恵なのだろうか。マネジャーはいった。


「あれは地なんですね。秀樹は本質的にはやさしい男ですよ。心やさしい男。ぼくがぜんそくでゼイゼイやっていると、いっしょになって禁煙につきあうというふうなんです。あいつは、実際は一日五十本くらいの猛烈スモーカー。それをぼくのためにやめる。またそれが持続できる。意志だって、そうとうガンコですね」


恋人はいないといった。秀樹がそういったのだ。しかし、数人の女性は、秀樹の部屋に招かれたことを認めている。その点を、どうつじつまを合わせるのかに興味をもつ。


「まあ、きたひとだっていますよ。でも、仕事の仲間です。恋人はいないんです。欲しいですよ。恋人とガールフレンドとは、また違う存在でしょう。結婚ってあこがれてはいるけど、自分自身の暴走がこわい気もしているんです」

岩崎宏美は“ガールフレンド”

なかなかのつじつま合わせだ。秀樹をよく知る芸能ジャーナリストはいった。

「岩崎宏美と親しい仲なのに、恋人とガールフレンドとは違う存在なんて、よくいえたもんですねえ。しかし、それを隠すのは容易なんだ。なぜならば、宏美も同じ芸映の所属ですし…。しかも、ふたりがいくら親しい仲でも結婚できる状態ではないんですよ。秀樹には、彼も認めているが、仕送りしなければならない母親が広島に住んでいるんです。一方の宏美は、大金持ちのお嬢さんで、家事には見向きもしない。『結婚しようよ』と、たとえ秀樹がいっても拒否されるのがオチなんです。


あえて苦労するところを選ばなくても、楽に好きな歌をうたって一生をすごせる相手だって、宏美ならばみつかりますからね。両親もそのつもりで、いい相手をさがしてるって話もききます。秀樹もそのことを知ってるために、恋人とガールフレンドとは違う存在だっていってるんですよ」


銀座のクラブのママさんが、よく訪れていることについては、隣人の証言で明らかだ。それが、有名な『J』のママさんであるかはわからない。ただ、彼女が銀座のクラブのママさんのなかでは秀樹と最も親しく、秀樹もヒマがあれば『J』へ出かけていることは知られている。しかし、同じ常連の放送作家はいった。


「秀樹というのは、銀座のホステスに人気抜群で五木も足元に及ばないくらいなんですよ。もちろん『J』でも…。ところが、ホステスはそろいもそろって〝つまんない〟なんてシラケたことをいうんですね。まあ、水商売の女の扱い方を、まるで知らないかららしいんだ。ハッハハハ」

実際はかなりの発展家

芸映とすれば、そういう秀樹であってくれたほうがいいわけであろう。だが最近、こんな情報が芸能関係者からもたらされた。

「紅白の出場メンバー表をさっとみてくださいよ。その何人かと親しくなりましてねえ。河合奈保子とは、まあ同じCMに出ている関係もあって仕方ないとして、他の三人もいるんですよ。どの程度の仲なのかは当事者でないので知らないけど。元来が甘えん坊で、心やさしいタチだけに、その方に夢中になると仕事をおろそかにしてしまうんじゃないかと、周辺ではハラハラしているらしいですよ」


だが、それでこそ秀樹は、さらに飛躍するのではないかと思った。唯一欠いていた〝乱調の魅力〟が備わるからだ。わざわざ新しい情報を寄せてくれた芸映関係者に、当然のことのようにそうつげた。反発された。


「あいつは器用のようで不器用です。のめり込んだら抜け出せませんよ。自分を見失ってしまいますね。だから関係者であっても社員でないぼくまでもハラハラしているんです。もっと伸びる歌手だけに、わきめもほどほどにしておきたいので…」


このことばから判断するに、秀樹の相手は宏美、奈保子、それに人扱いがうまい銀座のクラブのママさんだけにとどめておくだけで十分ということになる。かつてのTBSのディレクターで、番組制作プロを設立、経営者であると同時に、いまだ制作にもタッチしているその人物は、思いもかけぬことを打ち明けた。


「好青年だし、カンはよく演技者としてもスターになれる素材だけに、とやかくいいたくないけど、『寺内貫太郎一家』に出たときねえ、吉田拓郎夫人になってる浅田美代子とは、かなり親しかったんですよ。不器用というのは取り巻きだけで、実際はかなりの発展家なんだ」


これは驚きだった。でも、それが〝正常〟なのかもしれない。あまりの老成印象が気になっていただけに、むしろホッとする。


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