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岩崎宏美「さりげなく交際して、さりげなくひとよりモテルって、最高よ」【週刊実話お宝記事発掘】

岩崎宏美
岩崎宏美 (C)週刊実話Web

コンプライアンスの厳しい現代では「不倫」をしただけで犯罪者のように扱われるが、昭和の時代は実におおらか。“浮気も芸の肥やし”程度だったが、当時の人気者たちは、どんな恋愛観を持っていたのか。

●昭和57年1月21日号掲載『独身人気スターの恋愛観』(2)年齢・肩書等は当時のまま

「運転免許がほしいな。ちっちゃな車もほしい。夜中に乗りまわすんだ。私の貯金で買えるかしら…。いいよ、足りなかったらおじいちゃんに借りる」

これが、20歳を前にした岩崎宏美の夢だった。同年代で仲良しの山口百恵は、当時すでに母のために家を建てる夢をかなえ、結婚した三浦友和とも深い仲になっていたのだ。

あまりに違う。そのため、宏美は英才教育を受けた“お嬢さん歌手”などと、しばしば紹介される。

所属する事務所も、むしろそれを売り物にするきらいがあった。歌のレッスンを始めたのは、小学校二年生のときからで、当然のことながら、まず童謡。中学からは武蔵野音大の先生に発声、譜面を読むことを教わり、和田昭二氏の歌謡指導を受けたのはそのあとだ。

松田敏江さんについての発声練習は、そうした英才教育の仕上げであり、おかげで日本テレビ『スター誕生!』の決戦大会に勝ち、ビクターからデビューできたのだから、確かに“お嬢さん歌手”といっていい歩みそのものだった。普通の家庭では、とうてい負担にたえられぬ投資額である。

父は東京・深川で主に製材用機械の輸入販売会社を経営している。それとは別に、葛飾で乗馬クラブも経営していたくらいだから、そんな投資にも、たえられたに違いない。

英才教育を受けた“お嬢さん歌手”とイメージを固定させることは、虫のつかない清純歌手といった印象につながる。事務所としては、まさに“一石二鳥”の効果だ。

それにまんまと乗せられた、若い芸能ジャーナリストはいった。

「宏美は文字どおりのマイペース。それもお嬢さんらしくね。だから23歳になったいまも、まだ“生娘”じゃないかと思えてならないんですよ。おそらくそうでしょうね。浮いた噂は全くないし…」

裏はわかっているが書こうとはしない

果してそうだろうか。実は、同じ事務所の西城秀樹にも「浮いた噂は全くないといえる状態で…」と同じ芸能ジャーナリストは強調する。

これが事実とすれば、事務所は所属スターの管理をうまく行っていることになるが、実際は、その秀樹と宏美は極めて親しくしていて、見方によれば、もはや離れられぬ仲らしい。

ビクターのレコード関係者が言う。

「秀樹のマンションが、ふたりのデートする場なんですね。しかも、秀樹はときどきだが宏美の実家にも出かけています。秀樹の実家は、ファンならば誰でもが知っていることだが広島にあって、そこから母が上京してくるのは多くて年に二、三回程度。しかし、そのとき宏美も東京にいれば、必ずといっていいくらい顔を出していますね。ふたりがどのくらいの仲かは、それで想像してくださいよ」

なるほど、確かに想像はつく。でも、ならばなぜ、これまでスキャンダル好きの芸能誌や女性誌に、キャッチされなかったのだろうか。女性誌の編集デスクは、こう証言する。

「キャッチはしてますよ。だが、その当事者がなぜか書こうとはしない。裏はわかっているが、私の口からいうのはどうも…」

事務所がふたりの人気への影響を考え、どうも頭を下げているようなのだ。

では、宏美は秀樹だけを愛しているのか、というと、どうもそうではないらしい。関係者に当たっているさい、はからずも「お嬢さんですからね」とのことばが聞けたのだ。これは、なにを意味するか。「お嬢さんだから奔放で、浮気もしかねない」といいたかったに違いない。

宏美は、かつてこういった。

「わたしね、ハッチャキになって物事をするって嫌いなの。執念って、ないのね。さりげなく交際して、さりげなくひとよりモテルって、最高よ」

モテルってことは、愛されるってことなのだ。それをさりげなく欲っするとは、やはり浮気肯定派である。

「みんながどのくらい苦労したか知らないわ」

「(芸能界には)苦労してきたひとは多いけど、わたしは、みんながどのくらい苦労したか知らないわ。それに、わたし、自分から苦労しようと思わない。わたしって、運が強いのね。なに不自由なくここまできて、これでいいのかとも思うけど、考えてもしかたないし…」

つまり、浮気肯定派であっても自分から相手を求めるタイプ。たとえば多岐川裕美、秋野暢子らとは異なるのだ。

裕美の場合、妻子がいる相手ならば、別居ないし離婚を求めもする。しかし、それだけにスキャンダルとして露見する危険度は大きい。

反対に宏美は、あくまでもさりげなくだから、露見する心配はまずないといえそうだ。

「秀樹も似てるんですね。事務所の特徴なのか、と一時は思ったくらいですよ。その秀樹との交際だって、百恵と友和のように体を寄せ合って歩くようなスキは全くみせませんからね。そのため、たまたま事務所が同じなので…といわれれば、認めざるを得なくなってしまうんですよ。しかし、そのいいわけの口ぶりが、いたってさわやかでしょう。引っかかりますよ」

若い芸能ジャーナリストは、こういって苦笑したのだ。

恩師の松田敏江さんは、こう述懐する。

「彼女は非常に歌の才能のある子でした。だから、わたしは歌のほかにあたたかい人格を教えたんです。これがないとスターは長続きしませんからね。一度、約束に十五分遅れてきて『すみません』ではなく『こんにちは』といってよってきたんです。うんとしかりました。いい家に育っているから、神経もおおらかなんですね」

こういうことまで知らないと、宏美が浮気肯定派かどうかを見破ることはできない。

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