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浅野ゆう子「水谷豊さんはミッキーにあげる」私って飛び込めないの【週刊実話お宝記事発掘】

浅野ゆう子
浅野ゆう子 (C)週刊実話Web

コンプライアンスの厳しい現代では「不倫」をしただけで犯罪者のように扱われるが、昭和の時代は実におおらか。“浮気も芸の肥やし”程度だったが、当時の人気者たちは、どんな恋愛観を持っていたのか。

●昭和57年1月21日号掲載『独身人気スターの恋愛観』(1)年齢・肩書等は当時のまま

水谷豊はミッキー・マッケンジーとすでに結婚したので、浅野ゆう子が豊を愛した一時期があったことを紹介しても、もはやさしさわりはなかろう。

日本テレビ『熱中時代スペシャル 水谷教授の華麗な冒険』の海外ロケはケニア、フランス、アメリカ…と、三十六日間にも及んだほどだ。昨年春のことである。

その間、ふたりはずっといっしょだった。ゆう子の豊に対する愛は、その過程で芽生えたのだ。

「とんでもない。当時、彼女はまだ19歳ですよ。水谷は27歳。そんな大人を愛するようになるはずがないじゃないですか。愛の噂は、番組宣伝を意図した、あくまでも作りですよ。いい迷惑だ」

ゆう子が所属する事務所は、それをこういって否定していたが、鵜呑みにできなかったのは、こんな証言者がつぎつぎと現われたからだ。

まず、番組担当のチーフ・ディレクター。

「ミッキー・マッケンジーを起用したときも、水谷クンの直感があたったので、今回もまた…。ゆう子ちゃんは、前から水谷クンのファンで一緒に仕事ができることを、あこがれていたようですよ」

海外ロケにも一部だが参加した共演の草笛光子は、現地でのふたりの様子について、こう証言する。

「仲が悪かったら共演はむずかしいでしょう。とくに恋人役となると、相手を大事にする気持ちがないとダメですからねえ」

豊と親しい、というよりも、豊のことを常にマークしているので知られた芸能ジャーナリスト。

「海外ロケからの帰国後、ふたりはよく会っていましたよ。さそったのは、もっぱらゆう子のほうだったと聞いてますがね。そのときの話なんだが、ゆう子ってかなり年上の男に魅力を感じるんだって…。父に恵まれなかったからかもしれませんね」

「あたしってわがままな男を好むのよ」

ゆう子の母は、奔放な夫にかなり苦労させられたと、ゆう子本人が明かしている。

「父は、あたしが小学校一年のときに死んじゃったんだけど、世間一般の父親とは、ずいぶん違う父で、家にジッとしてなくて…」

母は、この夫に泣かされ、二度もゆう子ともども自殺しようとしたという。神戸のクラブで働き、スナックを持ち、かなり長期にわたってゆう子と別れて生活しなければならない悲劇も味わっている。

「だからね、あたしってわがままな男を好むのよ、きっと…。自分の感情でドンドン進んでって、あたしがなにいっても、ゆう子は絶対に横向いちゃいけないっていうのよ。わかる? ゆう子にはぼくしかいないんだからね。黙ってついておいで、そういえる男が好き。これ、あたしの理想の父親像でもあるわけなんです」

これにかぶせて、ゆう子は、かなり年上の男に魅力を感じることを認めたうえで、こう言葉をつなぐ。

「とくに結婚しているひとなんか、よくみえちゃうんです。妻子あるひと、実際に好きになったこともあるのよ。でも、あたし、奪うことができなかった。自分の過去を思い出し、お子さんがかわいそうになって…」

21歳になって、ひどくコケティッシュな表情ながら、首から下はかたく、まだまだ作りもののお色気の印象なのは、こうした男の好みも影響しているのかもしれない。

「やっぱりね、自分の考えをもっているひとがいいな。わたしの知らないことをいっぱい知ってて、いくつになっても夢を捨てないひと。仕事でもいい、遊びでもかまわない。たとえば、40歳になってもモーターボートの免許をとろうという、希望とかないひとは嫌いです」

さらに細かく条件をつける。

「それからね、ツッパってる男も好きよ。男のひとにはかっこつけてほしいもん。お金がなかったとするでしょう。そしたら、ビシッとドレスアップしてきて、ワインを一本持ってきてどこかの公園へ連れて行き、そこでふたりで乾杯なんてツッパリかたができるひとってすてきだと思うんですよ」

「傷つくのがこわいのよ、あたしって」

ならば、そういうのを相手にもっと遊べばいいものを、遠慮する必要はないのに…と思ってしまう。ところがどうもそれができないらしい。なぜなのだろう? 素直にいった。

「傷つくのがこわいのよ、あたしって。すごく独占欲が強いし、この世でいちばん嫌いなのが浮気なんです。本当に好きなひとだったら、女のひとから電話があって親しそうに話してるだけで、絶対に許せなくなってしまうんです。『あれ遊びだよ。本当に好きなのはおまえだけ』なんて、そんなの許せない」

豊に対する愛を芽生えさせながら、結局は別れた、というよりは身を引いたのは、ミッキー・マッケンジーとの親しい関係を豊が解消しようとしなかったからかもしれない。

最近、ゆう子は自分の気持ちを隠さず打ち明けられるTBSの歌番組のスタッフに、こんなことをいったようだ。

「豊さんって、意外と優柔不断なのね。初めて知ったわ。優柔不断っていうのはいやですね」

これが事実とすれば、独占欲が強いあまりの一種のナキと思えてならない。しかし、こんな調子ではなかなかモテそうにもない。

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