大相撲界もリハウス(住み替えの造語)時代に突入した。4月初め、元横綱・白鵬の間垣親方や人気者の石浦、炎鵬らが所属する宮城野部屋が、東京都墨田区内の旧東関部屋に引っ越すことが明らかになった。
旧東関部屋は初の外国人関取、ハワイ出身の高見山が興した。個性を大事にする指導法で、初の外国人横綱の曙や独特のパフォーマンスで人気のあった小結・高見盛らを育てるなど一時代を築いた。
「〝力士の数が増え、使用中の建物が手狭になったため〟と師匠の宮城野親方(元幕内、竹葉山)は説明しています。宮城野親方は今年8月で定年退職し、間垣親方が継承することは周知の事実。現在、間垣親方は両国国技館に近い一等地に新部屋を建設する予定で、浅草などで敷地などを物色中。今回の旧東関部屋は、それが完成するまでの仮住まいということになります」(大相撲担当記者)
きれいな空気よりも強くなるための環境
昨年4月にも、二子山部屋が埼玉県所沢市から葛飾区柴又の前東関部屋に引っ越した。こちらは東関親方(元小結・高見盛)が部屋を閉鎖したため、空き部屋になっていた。また、7月には立浪部屋も茨城県つくばみらい市から台東区橋場の旧常盤山部屋に住み替えている。常盤山親方(元小結・隆三杉)が、板橋区前野町に新しく部屋を構えたため、空いていたのだ。
どうして相撲部屋のリハウスが相次ぐのか。主な理由は2つ。両国国技館までのアクセスと稽古環境だ。
例えば、つくばみらい市にあった立浪部屋は、両国国技館までやって来るのに電車で片道1時間以上もかかり、体への負担は大なり小なりあった。
「現在は国技館まで車で15分です。体は楽だし、空いた時間を稽古など有効に使えますからね。まだ出稽古は禁止されていますが、まわりに相撲部屋が多いので、いろんな面で刺激を受ける。力士たちの地位がだんだん上がってくると、きれいな空気や広い敷地よりも強くなるための環境、というわけです」(日本相撲協会関係者)
5月8日から始まる夏場所(両国国技館)も、熱闘が期待できそうだ。
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