患者への虐待行為で大阪府の指導が入っていた精神科病院『阪本病院』(312床、東大阪市)は、日本大学背任事件で逮捕・起訴された医療法人『錦秀会』前理事長・籔本雅巳被告のグループ系病院だった。
日大医学部附属板橋病院の建て替え工事を巡る背任容疑で、日大前理事の井ノ口忠男被告とともに逮捕された籔本被告は、大阪大学医学部大学院を卒業後、1995年に父親の後を継いで医療法人『錦秀会』理事長に就任。多角化を進め、大阪府内と神戸市内に病院や介護など約30施設を持つ巨大グループに成長させた。
「籔本被告は、高齢者対応の慢性期医療と精神病院のM&Aでグループを急成長させた。グループ全体の病床数は6000床で、関西屈指の民間病院です。2004年には高額納税者番付で府内3位になったほど、関西では資産家としても有名ですよ」(在阪テレビ関係者)
“ヤブちゃん”と呼ぶほど親しい関係…
病院経営の傍ら政治家へのパイプも構築。安倍晋三元首相とはゴルフ仲間で、中山泰秀・前防衛副大臣の有力後援者でもある。
「安倍元首相は、籔本被告を〝ヤブちゃん〟と呼ぶほど親しい関係でした」(永田町関係者)
3月末に表沙汰になった阪本病院の不祥事は、職員15人が認知症の入院患者に胸や性器などを触る性的虐待、乱暴な言葉遣い、車椅子の前輪を上げて走るといった危険行為をしていたというもの。匿名の情報提供を受けて、昨年7月に大阪府が立ち入り調査を実施、病院側は関与した職員15人のうち、退職者2人を除く13人を厳重注意とした。
「2年前にも錦秀会グループの神出病院で複数の職員による入院患者への虐待が事件化している。裁判で3人に実刑判決、3人に執行猶予付き有罪判決が出ています。また阪本病院では併設の看護訪問センターで訪問看護療養費約1億円を不正取得した不祥事も発覚している」(医療セラピスト)
前理事長である籔本被告の責任も問われそうだ。
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