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地方テレビ局が存続の危機…新BSチャンネルがYouTubeより恐ろしい根拠とは

(画像)Kues / shutterstock

新型コロナウイルスの影響から業績を落としていた民放テレビ局が、新たな問題に直面しているという。

「CM広告の売り上げは戻ってきているのですが、いまだに落ちているスポンサーが、これまで以上にシビアに番組の出演者や内容、視聴率などの数字を求めるようになってきた。番組出演者やセットを使用したタイアップ広告が各所で制作されるようになったのも、スポンサーからの要請が強いからです。また、タレントもYouTubeを始めて、自分たちで有料配信するようになり、まさしくテレビが一番のメディアではなくなってしまった。出演者のスケジュールを確保するのにも一苦労しているところです」(民放テレビ関係者)

そして、吉本興業が始めた有料ライブ配信もかなりの脅威になっているという。

「キングオブコントを制して人気となったお笑いコンビの『空気階段』は、テレビ出演を積極的にしていないのですが、単独公演を有料ライブ配信することで莫大に売り上げている。これまでもYouTubeに活路を見出す芸人が多かったですが、現在では有料配信がトレンドとなっている。もはや、テレビは有料配信向けの宣伝と考えている芸人も多くいるほど。また、グラビアで活躍している福岡みなみがライブ配信だけで1億円を稼ぎ、書籍を出版した。これをキッカケに、グラドルやアイドルを深夜番組などに売り込むということがなくなりました」(同・関係者)

地方民放は今後何をウリにする!?

テレビ出演することが特別ではなくなっている中で、さらに追い打ちをかけているのが、BSの開局ラッシュだろう。

「今年3月に『BS松竹東急』、『BSJapanext』、『BSよしもと』の3局が新たにBSデジタル放送に参入した。あまり大きく報道されていませんが、民放局にかなりの痛手を及ぼしそうです。『BSよしもと』は地方創生をテーマに本格的な番組作りを行い、地方の官公庁と付き合いを太くして、さまざまなビジネスを展開していくつもりです。これは、民放各局が全国各地に持っているローカル局のネタを奪う形になり、現時点ですでに経営が不安定な東北を中心とした放送局は、戦々恐々としています」(テレビ雑誌記者)

あの何とも言えない独特の雰囲気を醸し出すローカル局がなくなってしまったら、この世界はもっとつまらなくなりそうで心配だ。

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