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JRA重賞『フローラS』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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参ったね。もう競馬が分からなくなった…って、もともと分かっちゃいないのだろうが、わが予想は春のGⅠ戦線に突入してから、ドツボの連続!

1、2番人気の受難はいまだに続いており、武豊ドウデュースは何とか3着に入ったが、川田ダノベルーガは4着で、馬連圏内にはわずかに届かない。勝ったのは5番人気の福永ジオグリフ。そもそも5番人気は10年以上、皐月賞では馬券圏内に入らぬ〝死に番〟だったのに、〝福永マジック炸裂!〟であっさりだもの。

2着のイクイノックスも、先週「~異例のローテ(中略)、今のルメールでは…と疑問符が付く。今度の参院選の東京選挙区に元おニャン子クラブの生稲晃子が出馬するので、イクイナならぬイクイノックスや菅原オニャンコポンがクサい、という言説もあるが、あえて無視しよう」と記して、しっかり恥をかいた。そんな1、2着馬を無印にしたんだから、言い訳も空しい。高松宮記念前に収支がほぼチャラになって喜んでいたのもつかの間、以後4週連続の大々空振りで、阪神タイガース並みのドツボに嵌まったみたいだ。

本来は、ロッテの佐々木朗希みたいに〝パーフェクト〟を目指していたのに、GⅠ戦線〝裏パーフェクト〟ではマイナス街道を猛然とバクシン中のテイタラクも当たり前。出口が、光が見えないっ! 幸い、今週は得意の(?)非GⅠ戦。そんな春のGⅠ谷間の週に反転攻勢を祈願しつつ、地味に勝負したい。東のフローラS、西のマイラーズC、どちらもGⅡだが、やはり〝牝馬の鉄〟としては前者に食指が動くなあ。2003年にシンコールビー、タイムウィルテルの馬連81720円、取ったんだよなあ…と阪神ファンが、1985年4月17日のバース、掛布、岡田の3連発を壊れたテープレコーダーのように繰り返すのと同様に過去を懐かしむのである。嗚呼。

そのフローラS、人気的には戸崎ルージュエヴァイユあたりが主役か。そしてルメールのラスールあたりも候補か。そのルメール大将が「新しいグランアレグリアです」とノタマったほどの逸材だ。今年いまだ重賞未勝利のルメールが、重賞初勝ちをキメるのは、案外、華々しいGⅠではなく、こういう地味目のトライアルレースではないか、と勘ぐるのである。

“映画関連馬券”は2頭のルージュにちなんで…

さらには武豊が乗り続けているマイシンフォニー、ルージュはルージュでも福永スティリアだ! と叫びたいルージュスティリア。あれっ? この福永、ルメール、武豊の並びって皐月賞のまんまじゃん。柳の下にドジョウがもう一匹いるかね? とりあえずこの4頭をボックスにして、ヒモ候補にラスールとの〝父キタサンブラック丼〟を狙いたい大野キタサンシュガー。名前からして〝甘い〟かな(笑)。でも、馬主・大野商事が同名の大野騎手を乗せるのは勝負のサイン? さらにデムーロのシンシアウィッシュ、今度も逃げるか藤岡佑ヴァンルーラーも福永、ルメール、武豊の並びに加えたい。ちなみにラスールとマイシンフォニーは、当欄常連の馬友S氏のペーパー持ち馬でもある。別に〝忖度〟しているわけじゃないが、この2頭のどちらかが勝ったら(S氏の理想は2頭でワンツー決着だろう)、早速お祝いメールを出すつもり。

さて〝映画関連馬券〟は、2頭のルージュにちなんで『赤い風車』(53年)。原題は、まんま、〝ムーランルージュ〟。巨匠ジョン・ヒューストンが、フランス印象派の画家ロートレックの悲痛な人生を描いた独創的な人物伝。モンマルトルのキャバレー〝ムーランルージュ〟でダンサーたちの絵を描く、貴族出身ながら貧乏生活のロートレック。身長150センチ前半で短躯の主人公を演じるため、181センチの長身である主演ホセ・ファーラーは膝に靴を履いて演技したという逸話が残っている。そういえば、その昔、新宿にもありましたなあ、同名のお店が…。

最終的な買い目は、最初の4頭の①⑥⑨⑬馬連&3連複ボックスで武豊、ルメール、福永の3頭は厚目に。この3頭⑥⑨⑬から後の3頭⑧⑭⑮へ馬連&⑥⑨、⑥⑬、⑨⑬各々縛りで⑧⑭⑮へ3連複を。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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