警視庁幹部が頭を抱えている。今月に入って所属警察官の不祥事が3件続いているからだ。しかも、3件とも捜査の最前線で中心的役割を担う〝警部補〟の犯罪だけに、問題は深刻だ。
衝撃的な事件が発覚したのは、4月10日のことだった。
51歳の警部補が、勤務する署内の机の中に覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕されたのだ。警部補は「予試験(簡易検査)の教材に使おうと思った」と、供述しているが、教材で本物の薬物を使うことはないという。
覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたのは、警視庁浅草署の中川一政容疑者(51)。
「実は今年3月、警視庁に《(中川容疑者が)職場で覚醒剤を所持している》との内部情報が寄せられ、薬物銃器対策課が密かに捜査を進めていました。10日朝、出勤した中川容疑者立ち会いのもと、鍵のかかる引き出しの中から、微量の覚醒剤が見つかった。今のところ覚醒剤を使用した形跡はありませんが、入手経路や目的など詳しい経緯を調べています」(捜査関係者)
自覚なしか…厳正に対処してもらいたい
中川容疑者は勤続28年。暴力団対策や薬物事件を扱う組織犯罪対策部門に10年以上所属し、薬物捜査の経験もあるベテランだった。
警察官の不祥事は、それ以前からも続いていた。
4月1日には、亀有署交通課所属の30代の男性警部補が、同僚と飲酒後に小田急線の車内で20代女性の尻を触ったとして、成城学園前駅で女性の知人男性に取り押さえられ、東京都迷惑防止条例違反(痴漢)の容疑で現行犯逮捕。また9日には、別の男性警部補(41)が、東京都足立区の商業施設で、女性のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして目撃者に取り押さえられ、同じく現行犯逮捕されている。
日頃は事件現場で颯爽と捜査に当たる警察官の醜態、なんとも情けない限りだ。
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