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JRA重賞『皐月賞』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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また波乱! 春のGⅠは、オールド競馬ファンなら知っているフレーズ〝二度あることはサンドピアリス!〟(1989年のエリ女杯の最低人気勝利馬)を思わず叫びたくなったほど。

1、2番人気の受難は続く。私の予想も大外れ。勝った川田スターズオンアース、3着の浜中ナムラクレアは無印、2着の武豊ウォーターナビレラに4番手評価の印がやっと、では言い訳のしようがない。それにしても勝った川田は前日落馬負傷し、顔面にキズを作りながらも堂々の1着なのだから脱帽だ。前週の大阪杯2着で今回は1着だから、大阪杯3着で、今回は2着の武豊とともに〝プチ確変〟状態か。ともかく、私の予想も軌道修正を図らなければなるまい。

さて、休む間もなく皐月賞。ここも騎手のバイオリズムが重要なのだろう。アゲアゲなのが、前記の川田、武豊であることは間違いない。逆に、これでGⅠで1番人気に3騎乗連続凡走の横山武は〝発狂寸前〟だろう。暮れのホープフルSを快勝して、ここも1番人気か、のキラーアビリティに乗っても気が気じゃないかもね。

同じことは今年重賞未勝利で、指定席のリーディング争いも川田、岩田望、横山武にも抜かれ現状4位の〝絶不調〟のルメール大将にも言える。彼が乗るイクイノックスは昨秋の東スポ杯以来という異例のローテが、たとえルメールが絶好調状態でも不安が先に立つのに、今のルメールでは…と疑問符が付く。

今夏の参院選の東京選挙区に元「おニャン子クラブ」の生稲晃子が出馬するので、イクイナならぬイクイノックスや菅原オニャンコポンがクサい、という言説もあるが、あえて無視しよう(笑)。これらが来るとしたら、より夏に近いダービーの方が〝サイン馬券〟としては説得力がありそう。ルメールも「ここ(皐月賞)がダメでも、ダービーがある」と次回狙いをニオわせているではないか。

今年のGⅠはまだ荒れ続けるのか…

他にも桜花賞も制して絶好調の川田ダノンベルーガは怖いが、イクイノックス同様、戦績2戦の浅いキャリアが少々ネックで、こちらも押さえまで。そこで狙いは、第4か第5の馬となるだろう弥生賞組の田辺アスクビクターモアへと導かれる。

続いて注目は武豊トゥデュース。前哨戦でチョイ負けがクサい。さらに大きく穴を狙って、というより今年の重賞戦線で〝大恩〟ある岩田パパのデシエルトをロックオン。主戦の岩田パパにフラれた形だが和田竜を確保したこちらも〝大恩馬〟ビーアストニッシド、一応ダノンベルーガ、キラーアビリティも加えたい。前走2着で鞍上魅力も福永ジオグリフ、デムーロのジャスティンパレスあたりも気になるところだが、イクイノックスともどもそこまでは手が回らない。

〝映画関連馬券〟はアスクビクターモアから『ビクター ビクトリア』(82年)。戦前のパリを舞台に、ゲイの男爵に化けたショーガールを巡るミュージカル・タッチのドタバタ・コメディーで、ジュリー・アンドリュースの男装がよく似合う。あとトゥデュースの母の名が、ダストアンドダイアモンズ…。無理なく連想できるのは、『灰とダイアモンド』(58年)である。灰はダストではなくアッシュだけどね。アンジェイ・ワイダ監督によるポーランド映画のレジェンド的名作。戦時中は対独レジスタンスとして、戦後はテロリストとなって、悲惨な末路を迎える若者マチェック(ズビグニエフ・チブルスキー)が鮮烈だった。当時、自身にその姿を重ねた安保世代も多かった。

さて買い目は、②から①④⑫⑬⑯へ馬連&3連複を厚目に。②⑫の馬連は特に厚目で。あと⑫から①④⑬⑯へも馬連&3連複で少々。今年のGⅠはまだ荒れ続けるのか、それともこの辺で落ち着くのか、まだ判断しかねるのでオースミシャダイならぬヨースミシダイ(様子見次第)。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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