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阪神タイガース“V確率ゼロ”で窮余の策…藤川球児緊急入閣へ白羽の矢

阪神甲子園球場
阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web

どうにも黒星にブレーキがかからず、断トツ最下位をひた走っている〝阪神タイガース特急〟(4月14日時点)。

矢野燿大監督のラストイヤーは「V確率0%」と報じられ、休養待ったなしの状況だが、藤原崇起オーナーはこれを否定して虎本線のダイヤを緊急改正。6月の株主総会対策で〝伝説の守護神〟藤川球児氏を緊急入閣させ、次期監督の約束手形も!

「このままでは6月の株主総会を乗り切れない。早急に虎ファンに夢を与えるプランを打ち出さないと。現状では矢野燿大監督の休養、平田勝男二軍監督の代行昇格は待ったなしだ」

阪神球団には、全国の虎ファンから矢野監督の「途中解任」を求める声が殺到し、親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)は開幕早々、重い決断を迫られている。

今季の阪神は、セ・リーグのワーストとなる開幕から11試合目で二桁の10敗目を記録。過去に開幕から7連敗以上したチームが優勝、Aクラス入りした前例はなく、タイガースのV確率は「0%」。その後も負けが続き、矢野監督がキャンプイン前の1月31日に表明した「今季限りでの退任」どころか、4月退任説が浮上している。

そんな喧騒をよそに阪神電鉄会長でもある藤原崇起オーナーは「途中解任」や「休養」を真っ向否定。「矢野さんっていうのは次善の次善。今後も同じやり方で、私はいいと思う」と話し、シーズン終了まで矢野監督に託すと明言した。

これで「監督休養説」はやや鎮静化したが、避けて通れないのが、6月の阪急阪神HDの株主総会だ。株主から阪神球団に関する批判的、ユニークな質問が飛び出す恒例の総会で、過去には外部から補強した城島健司(前マリナーズ)、小林宏之(前ロッテ)に対し「不良債権を抱えている」と紛糾。ドラフト戦略についても、「回転寿司なら大トロやウニの皿があるのに、阪神はタコやイカの皿ばかり取っている」などと糾弾された。

ファンの支持を取り戻す“秘策”とは…

「昨年は交流戦を終えた時点で2位の巨人に7ゲーム差の首位だったので無風に終わったが、今年は大荒れが必至です。乗り切るには、具体的な巻き返し策を示すのが急務で、阪急阪神HDは株主と全国のタイガースファンに夢を与える〝秘策〟を整えています。それが、藤原オーナーの言うところの『次善の次善の策』なのです」(阪神担当記者)

こちらが入手した情報によれば、〝秘策〟とは一昨年限りで現役を引退し、昨季から新設された阪神の「スペシャルアシスタント」を務めている藤川球児氏の緊急入閣――。

矢野監督と親しい阪神OBがこう話す。

「矢野監督が責任を感じて休養を申し出た場合、代行候補は井上一樹ヘッドコーチか平田二軍監督となりますが、生え抜きの平田で決まりだろう。しかし、指導実績はあるがインパクトが弱い。監督招聘なら、元阪神監督の岡田彰布氏か、元阪神二軍監督の掛布雅之氏。規則上はシーズン途中での外部招請は可能だが、球界に前例がない。派閥が違い、コーチ陣の一枚岩が崩れるためだ。そこで矢野監督は、監督禅譲を前提にキャンプで臨時コーチを務めた藤川氏の入閣を提案し、藤原オーナーがこれを受け入れた。これならファンの支持を取り戻せるという判断」

この〝ダイヤ改正〟で秋口までにクライマックスシリーズ圏内まで巻き返せれば、矢野監督のままでシーズンを終え、オフに藤川氏にバトンタッチ。混迷が続くようならば、矢野監督が休養して藤川代理監督にスイッチ。これが「次善の次善の策」というわけだ。

海外選手の帰還獲得に賭けるしかない!?

阪神が藤川氏に白羽の矢を立てた理由が、もう1つある。

「先週、開幕したメジャーリーグで、開幕ロースター(登録メンバー)の28人から外れたレッズの秋山翔吾外野手とレンジャーズの有原航平投手をダブル獲得するため。特に秋山は、その去就が注目されている。すでにレッズ退団を発表したため、日本球界復帰の可能性は高い」(同・OB)

これは昨季、巨人に戻った山口俊投手と同じパターンだ。

秋山は2019年に3年総額2100万ドル(約26億円)で契約し、今季の年俸は800万ドル(約10億円=推定)。阪神へ移籍しても今季の年俸はレッズが支払うため、阪神の持ち出しはMLBの最低年俸の8000万円程度と試算する。

この金額でプロ野球の年間最多安打記録(216本)を持つ外野手を獲得できれば、費用対効果は大きい。主砲の佐藤輝明は右翼から三塁に、内外野掛け持ちの大山悠輔も一塁に固定できる。昨季退団した守護神のR・スアレスの穴も総合的な戦力アップで埋められる。

一方、先発投手の有原はマイナー降格が決まったが、日本球界復帰の可能性はある。こちらはレンジャーズが今季年俸を負担、山口俊の例から阪神の負担は3000万円程度と見られる。

「当然、日本球界に戻る場合は他球団との競合になると予想されるが、カブス、レンジャーズでプレー経験を持つ藤川が入閣し、しかも次期監督となるならアドバンテージとなる。その上、両選手合わせて〝定価〟の10億円以上も割り引いての獲得。これなら株主総会で胸を張って報告できる」(スポーツ紙デスク)

藤原オーナーが〝首の皮一枚状態〟の矢野監督を支える理由はここにある。果たして〝タイガース特急〟の乗り心地やいかに。

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