日産、MARCH (C)週刊実話Web 
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ロシア制裁が中古車市場に冷水…平均落札価格“2割下落”の異常事態

近年はコロナ禍による海外工場の稼働停止や半導体不足などによって、世界的に自動車メーカーの生産が縮小してきた。


新車の発表はされるものの、納車されるまでに半年以上は当たり前、車種によっては1年以上も待たされることもあったという。


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そのような状況を背景に、中古車市場は高騰を続け、特に日本の中古車は海外で高い人気を誇ってきた。


しかし、2月24日に勃発したロシアのウクライナ侵攻に対して、G7(先進7カ国)をはじめとした国々が経済制裁、金融制裁に踏み切ったことから、ロシアとの貿易がストップ。中古車に関しても、代金を決済できなくなる不安と、何よりも自動車購入意欲の減退によって、ロシア向けの輸出は一気に低下した。


日本の中古車輸出において、対ロシア向けは1割ほどを占めているともいわれ、それがほぼ消えたことによって中古車市場が受けた影響は大きい。

買いたい時が買い替え時

今年2月、1台当たりの平均落札価格は100万6000円と過去最高値を記録したが、3月末の平均落札価格は80万円を割り込んでいるとみられ、車を手放すことが多い門出の時期であることを踏まえても、対前月比2割下落というのは異常な値である。

「もし今、欲しい中古車があるという人にとってはチャンスだと思いますが、急激な相場下落は下取り価格にも影響してきます。結局、安く買っても、売る時いくらになるかは誰にも分かりません。乗りたい車が見つかったタイミングで購入するのが、中古車も新車も一番いい買い方です」(自動車評論家)


あらゆる分野で値上げラッシュが止まらないが、中古車購入においては「買いたい時が買い替え時」というスタンスで望むのが得策のようだ。