6月19日に東京ドームで行われる那須川天心VS武尊の格闘技〝世紀の一戦〟の概要が決定。4月7日に主催者が都内で会見を行った。
キックボクシング無敗の神童・天心と、K-1初の3階級王者・武尊は、これまでにも対戦を望む声があったものの、所属団体が違うため実現できなかった。
「天心はRISEの王者としてRIZINにも参戦。武尊はK-1王者で、ともに団体を背負う看板選手ですからね。勝敗をつけると、負けた方の団体に傷がつくとあって、これまで実現は難しいとされてきました。ところが、天心がキックボクシングからボクシングに転向することを発表。その前に2人の対戦を実現させようとする機運が高まったのです」(格闘技ライター)
大会名は『THE MATCH 2022』。天心VS武尊戦以外にもカードが組まれ、全10試合から15試合になるという。ルールは3分3ラウンドで、延長1ラウンド。延長の場合、「延長ラウンドのみ」をマストで判定する〝完全決着ルール〟となる。
日本のエンタメ史上過去最高額
驚かされたのが、そのチケット代だ。7日の会見に臨んだ大会実行委員でRIZIN実行委員長の榊原信行氏は、「日本のエンタメ史上過去最高額。そういう金額をつけさせていただきました」と前置きし、驚愕のチケット代を明かした。
「約50席あるというリングサイド最前列は、なんと1席300万円。2列目が200万円で、3列目でも100万円という金額でした。これまでの日本格闘技史上では、1976年の猪木対アリ戦(日本武道館)のロイヤルリングサイドが30万円、今月9日に行われたボクシングの村田諒太対ゴロフキン(さいたまスーパーアリーナ)でも高い席で22万円でしたからね。とんでもない金額ですよ」(同・ライター)
このところ、サッカーW杯アジア最終予選のアウェー戦がDAZNの独占中継になったり、村田諒太対ゴロフキン戦がAmazonプライムでの中継となったり、地上波でスポーツのビッグイベントの中継が難しくなっているが、この〝世紀の一戦〟はフジテレビで放送される。
「榊原氏が仕切るRIZINを中継するフジテレビさんが意地を見せた。おそらく、2人のファイトマネーは日本人同士の試合では格闘技史上最高額で、軽く億単位に達するはず。それを捻出するためには莫大な放映権料も必須ですから、こちらもかなりの高額になっているでしょう。フジテレビさん1社では厳しかったようで、ABEMAさんも放映権料を負担し、こちらは有料で全試合を完全生配信するようです」(他局のスタッフ)
ABEMAは、高騰するサッカーW杯でも全試合の放映権を獲得したほどの資金力を持つ。ここを口説けたこともビッグマッチ成立のカギだったようだ。
「RISE、K-1、RIZINの3団体とも、コロナで思うように興行が打てず、大幅に収益が減っているはずです。それを補う意味でも、この試合で回収しなければならない。再びコロナの感染者が増え、万が一、人数制限がかかっても、3団体に十分な収益が出るようにそろばんをはじいた結果、最高額300万円という超高額なチケット代の設定になったものと思われます」(同・スタッフ)
ただ、すでに〝チケット詐欺〟の被害も報告されているというから、購入を検討しているファンは注意が必要だ。
約2カ月後に迫った〝世紀の一戦〟を見逃すな。
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