手間がかからず安心安全 !『車中泊入門』著者:武内隆~話題の1冊☆著者インタビュー

『車中泊入門』ヤマケイ新書/本体価格1000円

武内隆(たけうち・たけし) 東京都生まれ。50代の頃から車中泊しながらの旅を実践し、60歳のときにキャンピングカーを購入。これまでの車中泊日数は2500日以上、車中泊旅行での走行距離は約25万キロメートルに及ぶ。
――近年、車中泊が人気になっています。流行の背景には何があるのでしょうか?

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武内 もともと潜在的需要はかなりあったと思います。特に近年、車中泊をする人が増えたのは、道の駅が整備され、その数が1000カ所以上に増えたことが大きいのではないでしょうか。また、ネット、書籍などを通して車中泊のメリットが広く知れ渡ったことや、それらの動きに合わせて、装備やグッズが数多く市販されるようになったこともあるでしょうね。

――一方で、マナー問題などで、車中泊を禁止する道の駅も増えているそうですね…。

武内 大声で騒いだり、飲み食いをしたり、トイレを汚したりなど、一部の人のマナー違反が問題になっています。そもそも道の駅は、車中泊を想定して設けられた場所ではありません。車中泊を認めてくれるところもあれば、歓迎しないところもあります。車中泊をしてほしくないという道の駅で、さらにマナー違反があると大問題になるわけです。車中泊をしても差し支えのない場所かどうかを判断するための基本的な考え方は、本書でも解説しています。

――車中泊を快適にするためのテクニックを教えて下さい。

武内 車で快適に就寝するために最低限必要な条件は、身長×肩幅+アルファのフラットなスペースを確保することです。あとは寒さ暑さ対策ですね。車中泊では、日常よりはるかに多彩な生活をするのですから、他人と同じ様にすればよいというものではありません。自分が満足、納得できるもの、手法を厳選しないと長続きしないでしょう。

手間がかからず安心安全で見晴らしもいいのが魅力

快適に寝られる車のナンバーワンは、キャンピングカーですが、ハイエースなどのワンボックス車、アルファード、セレナなどのミニバン、背の高い軽自動車なども上手に手を加えれば快適になります。また、豪華な車よりも、シンプルな広い荷室がある車のほうが、フラットで快適なベッドスペースを作るのに向いていますね。

――武内さんにとって、車中泊の魅力とは?

武内 私は景色のよい場所で寝泊りするのが大好きです。それもホテルのような人工的な場所ではなく、大自然の真っただ中がいいですね。でも、野宿やテントでは風雨のとき苦労します。それに比べ、車は手間がかからず安心安全であり、おまけに見晴らしもいい。また、自由気ままなのがいいですね。

これから車中泊を始める方には、自分がやりたいこととうまくマッチした「いきいき生活」が実現することを願っています。

(聞き手/程原ケン)