北海道コロナ禍の今こそ読みたい『古地図と歩く 札幌圏』~本好きのリビドー/昇天の1冊

札幌は一体どうなってしまうのだろう――そう心配せざるを得ないほど、北の地はコロナの猛威にさらされている。

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だが、感染が一段落したら、歓楽街以外を訪れて、少しでも応援したいものである。そうした際に参考になりそうなのが、『古地図と歩く 札幌圏』(あるた出版/1400円+税)だ。街歩きガイドだが、古地図を掲載し、それと現在の街を比べ合わせて、歴史の痕跡をたどろうという1冊。

市の中心部にある中島公園や道庁にある遊郭の名残をはじめ、近郊(旧村)にある町役場跡や仏閣、北海道の歴史を語るうえで欠かせない、明治維新後の屯田兵たちの暮らしの跡など、興味深い史跡も少なくない。

また、M100号の名称で親しまれ、市の名物となっている市電の今昔物語、なぜ札幌の市街は碁盤の目状に設計されたのか…など。決してすすきのやキャバクラだけではない札幌の魅力が分かりやすく伝わってきて、いつかは足を伸ばしてみたいと思わせる。

北海道は開拓されて“まだ150年”ほどの新しい場所

北海道の歴史は浅い。むろん先住民族が暮らした時代までさかのぼれば古い歴史を持つが、開拓されてから現在に至るまでの足跡は、まだ150年ほど。それだけ新しい場所であるにもかかわらず、あまり知られていないからこそ、今知るべきという思いに駆られる。

著者は、まちあるき研究家の和田哲氏。テレビ番組『ブラタモリ』(NHK)にも出演歴がある方だ。『月刊O.tone(オトン)』(同社)の連載企画「古地図と歩く」をまとめた愛蔵版。

(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)