自由民主党(C)週刊実話Web
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岸田首相“安倍つぶし”奮起! ロシア制裁に乗じて雪辱晴らす!?

ロシアのウクライナ侵攻に乗じ、岸田文雄首相が安倍晋三元首相つぶしに舵を切ったと、もっぱらだ。


「ウクライナ侵攻で岸田首相は欧米と連携しロシアに対する厳しい経済制裁措置に踏み切った。これにプーチン大統領は日本を非友好国とし平和条約交渉を打ち切り事実上、北方領土問題を棚上げした。安倍氏は首相在任中に27回もプーチンと首脳会談を重ね、『シンゾー』『ウラジーミル』とファーストネームで呼び合うほどの深い信頼関係を吹聴してきた。日本は北方4島経済活性化のため、3000億円近い金をロシアに巻き上げられている。安倍氏がプーチンのポチで、いかに舐められたものだったかが浮き彫りとなり、安倍氏の求心力はガタ落ちだ」


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こう暴露するのは岸田派幹部。


「岸田首相の断固としたロシア制裁の背景には、安倍氏への積年の恨みが色濃くにじんでいる。これまで岸田首相は安倍氏に何度も煮え湯を飲まされてきただけに、ウクライナ侵攻で倍返しする腹でしょう」(同)


安倍氏による岸田首相への裏切りは「ここ数年だけで、少なくとも4つある」(同)そうだ。


その1つは、2019年参院選挙での広島選挙区買収事件。広島は岸田派の牙城で、今でも岸田首相を筆頭に7人の国会議員がいる。19年当時、岸田派の国家老的な存在だった溝手顕正・元国家公安委員長は6期目を目指し立候補した。


ところが、自民党本部が2人目候補としてゴリ押ししたのが河井案里氏だった。すでに、この参院選で公選法違反(買収)容疑で逮捕、起訴され有罪が確定、当選無効となっている。この河井氏担ぎ出しに中心的役割を果たしたのが、安倍氏と菅義偉前首相だった。

メンツつぶされ給付金も土壇場で変更され…

「河井陣営には溝手氏の10倍となる軍資金1億5000万円を投入した結果、溝手氏は落選、河井氏は初当選した。この件で岸田首相は蚊帳の外で完全にメンツをつぶされた。買収まみれの選挙は、ひとえに安倍氏が溝手氏を嫌ったことが最大の理由というから呆れる」(自民党関係者)

2つ目の裏切りは20年4月のコロナ対策給付金問題。自民党幹部が語る。


「当時首相の安倍氏はコロナで経済立て直しのため、岸田政調会長が提案した『収入減収世帯に30万円支給案』を支持、合意した。ところが、この案に公明党と二階俊博幹事長が『分かりにくい』として猛反発、安倍氏は公明と二階氏が主張した『国民1人一律10万円支給』にちゃぶ台返し。ここでも岸田氏は赤っ恥をかかされ、政策無能のレッテルまで貼られた」


極め付きは、20年9月に行われた自民党総裁選だ。以前から安倍氏は「ポスト安倍は岸田氏が最有力」と周囲に漏らしながら、潰瘍性大腸炎悪化で電撃辞任。すると、菅官房長官と二階幹事長がいち早くタッグを組み、多数派工作を有利に進めた。安倍氏は〝岸田推し〟で何も手を打たないばかりか、菅氏を支持。菅氏圧勝の原動力となった。


「岸田氏と石破茂氏は完膚なきまでに叩きのめされた。このとき、岸田氏は〝終わった〟が永田町の共通認識だった」(政治担当記者)


そして、直近の裏切りは昨年9月の総裁選。


「安倍氏が支援したのは右派の高市早苗政調会長で、自民党国会議員らに高市支持で電話をかけまくった。特に、重点的に狙われたのが岸田派系」(岸田派議員)


ここまで裏切られては、いくら温厚な岸田首相でも堪忍袋の緒が切れるというもの。岸田氏は首相になると、まず人事面で安倍氏に反旗を翻した。

岸田氏の背後には麻生太郎氏が…

「安倍氏はよほど面の皮が厚いのか、総裁選で高市氏を支援しておきながら、党幹事長に高市氏、官房長官に腹心の萩生田光一経産相をネジ込もうとした。岸田首相が一蹴したのは言うまでもありませんが…」(官邸関係者)

次に岸田首相が繰り出したのが、林芳正氏の外相抜擢だ。


「昨年、参院議員から衆院議員に鞍替えした岸田派の座長です。安倍氏は岸田首相から事前報告を受けると、反対したと聞く。将来、1票の格差是正に伴う選挙区減区で林氏と安倍氏がガチンコ対決する可能性があるからですよ。地元の山口県で勝ち目があるのは年齢の若い林氏。安倍氏にすれば、林氏の出世は安倍家衰退にもつながりかねない。だが、岸田首相は安倍氏の意見をスルー、林氏を外相に就任させた」(同)


安倍氏への反旗はまだある。安倍氏が持ち出した「核共有」論。岸田首相は国会で「認められない」と否定した。「核共有」とは普段から米国の核兵器を日本に配備、有事に日本が計画的に関与できるよう米国側と協力するというものだ。


今後の権力闘争について自民党長老はこう読む。


「岸田氏を支える最大の後ろ盾は麻生太郎副総裁だ。麻生氏は麻生派と岸田派の合流、大宏池会を結成してキングメーカーとして君臨する腹だろう。最大派閥を率いる安倍氏も自分こそと意気込んでいる。3人目のキングメーカーを狙うのは間もなく新派閥旗揚げを目指す菅前首相と二階元幹事長。三つ巴の主導権争いが繰り広げられるはず」


政界は権謀術数が渦巻く。