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六代目山口組の執行部直系組織ナンバー2が集結!緊迫の「戦略会議」全容

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「今日はやけにピリピリしているな…」

警戒に当たる警視庁の捜査員が怪訝な表情でこうつぶやくほど、組員からは異様な緊張感が伝わってきた。

3月29日、六代目山口組(司忍組長)・藤井英治若頭補佐の五代目國粹会(東京)本部で会合が行われた。新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け、開催が見送られていた六代目山口組執行部メンバーらが率いる直系組織の若頭による、「若頭会」が開催されたのである。

一時期よりも感染者数が減ったとはいえ、依然として都内では1000人単位に上る。その最中にあっても会合が行われた背景には、ただならぬ事情があるともみられた。ましてや集まった直系組織からは、複数のヒットマンが出ている。

六代目山口組は、神戸山口組(井上邦雄組長)に対して武力行使と〝切り崩し工作〟を進めており、分裂抗争の最前線に立つ直系組織の中で、指揮を執る若頭らの集結は戦略会議を意味する。そうした緊張感が、組員たちからも伝わってきたのだ。

「そりゃ、各自が遠方から駆け付けたのも、顔を合わせて話さなくてはならない重要な議題があったからに違いない。それは六代目山口組が終結を急ぐ、分裂問題に関する事柄しかないだろう」(関東の組織関係者)

その3日前となる26日には、兵庫、愛知など6府県の公安委員会が六代目山口組と神戸山口組の特定抗争指定の延長を決定。効力は3カ月間だが、分裂抗争が終結したと判断されるまでは、延長される見込みだ。

また、両山口組が本拠を置く兵庫県内では勢力が逆転。分裂以降、県内では神戸山口組勢が多かったが、今回は六代目側が310人(準構成員含む)、神戸側が240人(同)となり、神戸側は前年からほぼ半減した。

「勢力を誇る五代目山健組が、六代目側に復帰したからやろな。兵庫県内では神戸市と姫路市、尼崎市などが特定抗争指定の警戒区域に定められとって、総本部も使用禁止になっとるが、本丸のある兵庫県で勢力の逆転現象が起きたんは、今後の分裂抗争にも影響があると思うで」(地元記者)

山健組の復帰が、終結を急ぐ六代目側の〝追い風〟になったのは言うまでもない。こうした事情を踏まえると、今回の若頭会では〝次の進攻目標〟に触れられた可能性もあるという。

他団体トップの動向に異変

「各直系組織の統率を図るのは、執行部の筆頭である若頭に他ならない。しかも、今回の会合は最高幹部が率いる直系組織のナンバー2たちが集まっている。彼らが情報を共有することで、新たな戦略が打ち出されるのではないか」(前出・関東の組織関係者)

森尾卯太男本部長の大同会(鳥取)からは、一昨年5月、若頭代行がヒットマンとなって池田組(池田孝志組長=岡山)の前谷祐一郎若頭を銃撃。重傷を負わせる事件を引き起こした。竹内照明若頭補佐の三代目弘道会(愛知)でも、分裂した翌年の平成28年5月に傘下組員が池田組の髙木昇若頭を射殺し、令和元年10月には山健組系組員2名を射殺。安東美樹若頭補佐の二代目竹中組(兵庫姫路)も、令和元年に元直参が古川恵一幹部を自動小銃で射殺するという事件を起こしており、武力行使の面でも強硬姿勢を続けてきたのだ。

一方、特定抗争指定後、六代目山口組では全直参が集まる定例会を中止。執行部会議と、各ブロック会議で連携を図ってきた。時には〝切り崩し〟に関する明確な方針が示されるなどし、会合の重要性がうかがえた。

「分裂問題を解決するには、神戸山口組だけでなく、神戸側を離脱して独立組織として活動を続ける池田組と絆會(織田絆誠会長)も、視野に入れなくてはならない。直近では、神戸側・寺岡修若頭の関係先と別の関係先周辺で事件が起き、池田組の前谷若頭の事務所にも攻撃が加えられた。寺岡若頭と池田組長に進退を迫る目的があったはずで、こうした手段は今後も講じられるだろう」(同)

武力による攻撃に限らず、政治面でも六代目側は動いているといわれる。

「3月上旬には六代目寄りの他団体トップが、神戸寄りの複数の他団体トップと会談したそうだ。渡世の上で縁のある組織同士だから、会うのは不思議ではないが、たとえ挨拶程度の訪問にせよ、今の情勢ではそれがどういう意味を持つのか、自ずと分かるはずだ」(同)

山口組の分裂は、業界内に大きな影響を及ぼした。当初は神戸寄りだった六代目会津小鉄会(京都)は、同じ七代目を名乗って分裂。のちに統合し、六代目側の親戚団体として関係回復がなされた。同じく神戸寄りだった九代目酒梅組(大阪)も、代替わりを経て改めて親戚関係を結んでいる。こうした動きも、分裂終結に向けた六代目側の戦略とみられてきたのだ。

「神戸山口組の業界内での立ち位置に、異変を生じさせることが目的だったといわれる。だから水面下では、残る神戸寄りの組織にも何らかのアクションがあるんじゃないか」(同)

本格的な春の到来とともに、六代目山口組の勢いは増している。分裂から丸7年となる8月まで残り数カ月、不穏な雰囲気が漂う。

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