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新庄ビッグボス“ぶっちギリ最下位”も…球団フロントは集客力に「勝算あり」なワケ

新庄剛志
新庄剛志 (C)週刊実話Web

プロ野球の年間最多敗は、1961年に近鉄が記録した103敗。今季の日本ハムはそれを更新する勢いだが、〝ビッグボス〟新庄剛志監督はぶっちぎりの最下位など意に介していない。

それどころか、「もっと負けて、最後にひっくり返すストーリーが好き。公約も果たせる」と気勢を上げる。

「公約とは、新人を含む全選手に一軍のスタメンを経験させるというもの。当初は彼らの気を引くための大風呂敷と思われたが、開幕直後に大きくつまずいたことで実行が可能になった」(スポーツ紙デスク)

日本ハムの支配下選手は67人。このうち、一軍登録が可能なのは31人だ。

昨年の東京五輪で侍ジャパンにも選ばれた年俸2億5500万円(推定)の好打者、近藤健介を意図的に外すなどして「順繰り先発策」を進めているが、この作業を終えればギアを一段上げるという。半分程度は一軍にとどめるが、残りは半月交代でまとめて二軍に落とし、最終的に全選手にスタメンを経験させる方針。

「アナウンス効果はてきめんで、一軍とは対照的に二軍はイースタンリーグで開幕5連勝するなど、首位争いを展開しています。支配下選手枠もまだ3人空いており、12人いる育成選手たちも最終電車に乗り遅れまいと躍起。この〝下克上エネルギー〟を使い、大どんでん返しを狙っているのです」(日本ハム担当記者)

問題は、よく知りもしない選手がスタメン表にずらり並んだ場合の集客力だ。しかし、球団フロントも「勝算はある」と肯定的だという。

「ロコ・ソラーレ」とジョイント!?

「プロ野球選手は、どんなに無名でも地元では例外なくスター。親戚、知人ばかりか学校関係者まで応援しており、オラが村のヒーローが一軍で先発出場すれば、それぞれの選手の後援者が札幌へ駆けつける。その費用対効果は計り知れない」(同)

実はこの計画と連動を目指すのが、カーリング女子日本代表チーム、「ロコ・ソラーレ」とのジョイントだ。本拠地開幕カードの3月30日の西武戦では、2月の北京五輪で銀メダルを獲得した藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美が「ロコ」を示す「65」番の日本ハムのユニホームを着て始球式に登場。

「人気は高いが、カーリングはアマスポーツ。賞金はほとんどなく、活動資金は本橋麻里代表理事が奔走して集めた30社以上の小口スポンサーに依存している。その金額は、総額約3000万円。そこで、新庄監督がサポートを申し出ているようだ」(広告代理店関係者)

地元開幕戦で新庄監督は約3000万円の「マクラーレン600LT」で球場入りし、約7770万円の空飛ぶホバーバイクでグラウンドに現れた。これらの演出に1億円超をかけたくらいだから、個人でロコ・ソラーレを支援することは容易だし、球団がその気になれば傘下に収めることも可能だ。

ロコ・ソラーレは2016年5月31日にも始球式に招かれ、その年の日本ハムは最大11.5ゲーム差をはね返してリーグ優勝し、日本一に輝いた。新庄劇場を見限るのは、まだちょっと早い。

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