「春の全国交通安全運動」の期間がやってくる。
今年は4月6日から15日までの10日間で、「子どもをはじめとする歩行者の安全確保」「歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上」「自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保」の3点が重点的に実施されるという。
「全国の交通事故死者数は1970年の1万6765人をピークに減少を続け、2020年は2839人と、1948年に統計を開始して以降、初めて3000人を割っています」(交通問題に詳しい自動車ジャーナリスト)
政府や警察、国民ひとり一人が交通事故の防止に積極的に取り組んできた結果だが、一方でなかなかなくならないのが、地方特有の〝ご当地交通ルール〟だ。
「茨城県には〝茨城ダッシュ〟と呼ばれる問題があります。これは、交差点で信号待ちをしていた車が、赤から青信号に変わった瞬間、猛ダッシュをして対向車よりも先に右折する暴走行為。危険極まりない行為ですが、茨城県では、なぜか独自ルールとしてまかり通っているんです」(同・ジャーナリスト)
同様の行為は愛媛県内でも問題視されており、〝伊予の早曲がり〟と呼ばれている。松山市内では、あちこちに「伊予の早曲がり禁止」の看板が立っているが、それだけ、この違反をするドライバーが多いということだろう。
名古屋の“右折フェイント”
「愛知県の名古屋市や、その周辺では〝名古屋走り〟と呼ばれる荒っぽい運転が見られます。車線をまたいで右に左にとジグザグ運転を繰り返すことで、中には交差点の右折車線を直進する〝右折フェイント〟などというトンデモない走りをするドライバーも少なくありません」(同・ジャーナリスト)
山梨県の〝山梨ルール〟は、一歩間違うと歩行者の命が危ない。同県内では、横断歩道の前に歩行者が立っていても、止まらずに通り過ぎる車が多いというのだ。
「全国で徹底されているはずの『歩行者優先』が、山梨では通用しないのです。歩行者がいれば、車を止めて横断させるという当たり前のルールが、山梨では『車が優先』になっています」(同・ジャーナリスト)
そもそも〝ご当地交通ルール〟などという言葉が存在すること自体おかしな話。「ウチの地元ではOK」などと勝手な解釈をせず、くれぐれも安全運転を心がけてもらいたい。
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