コロナ禍でも修学旅行!? ~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

11月19日、香川県坂出市沖で、修学旅行中だった小学校の児童52人を含む62人を乗せた船が、障害物にぶつかり沈没した。幸い児童の命に別状はなかったが、コロナ禍のさなかに修学旅行をやっていたのかと、驚いた向きもあろう。

「公立の小中高校や特別支援学校は、全国に約3万3000校ありますが、NHKが各地の教育委員会に聞いたところ、約60%の学校が修学旅行の実施を決め、その多くが行き先を隣県や県内などの近場に変更していることが分かりました」(教育研究家)

修学旅行はいらないという意見も根強い…

ただし、実施状況には地域差もある。感染者が多い首都圏では中止した学校の割合が高く、東京都では全中学校で中止した区が複数あった。逆に地方では、90%以上の学校が実施を決めている自治体もある。

「修学旅行が地域経済の振興策の一環になることから、誘致に積極的な自治体があるのは事実ですが、その一方で思い出づくりのためだけなら、修学旅行はいらないという意見も根強い。費用負担に耐えられない家庭もあるのです」(学校・行政向けアドバイザー)

コロナ禍をきっかけに、「修学」の意味を問い直すべきだろう。