相次ぐ「ナンバープレート」盗難!まさかに備えた対策法とは~企業経済深層レポート

「字光式」の光るナンバープレートや赤い斜め線や赤枠が入った仮ナンバー(自動車臨時運行許可票)は特に人気が高く、陳列したら瞬時に売り切れることもあるという。

また、日本では06年から地域振興のために、ご当地ナンバープレートが取り入れられ、さらには18年からは図柄入りナンバープレートが導入された。これらユニークなナンバープレートの出現により、国内外のマニア間でコレクション熱が高まり、一部では非合法な動きも活発化しているという。

実際に昨年は、ご当地ナンバープレートの盗難が相次いだ。前出の警察関係者が明かす。

「昨年夏、千葉県勝浦市内で、同市のマスコットキャラ『勝浦カッピー』が描かれた原付バイクのナンバープレートが、続けざまに100枚以上も盗まれました」

同様の被害は埼玉、静岡などでも多発し、のちに若い男女のカップルが窃盗容疑で逮捕された。さらに、盗品と知りながらナンバープレートを購入したタイ人も逮捕されたが、この男は1枚2000円で購入し、海外に倍以上の値段で転売していたという。

「カップルが盗んだプレートは計600枚以上。1枚2000円で売りさばいていたなら、ざっと120万円以上の荒稼ぎだ。ドライバー1本で前後2枚が4000円となるだけに、盗みをやめられなかったようだ」(同)

まさかに備えたセキュリティーが肝心

しかし、タイ人ブローカーなどは氷山の一角だと、自動車整備の関係者が語る。

「ナンバープレートの廃棄業者が横流しして、高値で売買される例もある。海外では、昨年のラグビーW杯や東京五輪に合わせた特別仕様のナンバープレートが人気沸騰中だ」

17年からはナンバープレートを手元に残したいコレクターのために、一定の手続きを経てプレートに穴をあける破壊措置をとれば、「記念所蔵」として所有できるようになった。そのため昨今は、記念所蔵ナンバーへの視線も熱い。

それだけに懸念されるのは、前述のようなナンバープレート窃盗犯の出現だ。

「盗まれるナンバープレートの大半は、盗難対策をしていないものが多い。最近は、盗難防止の特殊ネジなどが1000円台から購入できるので、まさか、という前のセキュリティーが肝心です」(同)

非合法を含めて話題が尽きないナンバープレートだが、「備えあれば憂いなし」の教訓だけは確かなようだ。