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JRA重賞『大阪杯』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週の高松宮記念は〝アッと驚く為五郎~(古いネ)〟の結果となった。

大本命の横山武レシステンシアをはじめ、4番人気までがクツワを並べて討ち死にで、勝ったのは8番人気の丸田ナランフレグ。2着にやっと私が印を付けた5番人気で岩田ジュニアのロータスランドが入り、3着はもっとあっと驚くブービー人気菊沢キルロードだもの。

取れるわけないって。

私の予想はオーシャンS組は完全無視、特にキルロードなんて〝思い出作り・参加賞〟の出走でしょ、と小バカにしていた私が悪うございました。これでまた収支はマイナス街道に迷い込んだ。とはいえ、悲願のGⅠを涙の制覇となった丸田騎手を称えるのにやぶさかではない。

と、気を取り直して、第2弾の大阪杯に駒を進めよう。ここはもう、〝何チューカ本中華(これも古いネ)〟、年度代表馬の横山武エフフォーリアと、〝令和のサイレンススズカ〟と目され、前走の金鯱賞でも逃げ圧勝の藤岡佑ジャックドールのマッチレースの様相を呈している。逃げるジャック、差すかフォーリア、の分かりやすい図式。オッズはおそらく2倍強~1倍台? とにかく、石屋の小僧も驚いた、ってぐらいガチガチ固そう。2頭の馬連を万単位で買うならともかく、本来なら〝観るレース〟なのかも知れない。

とはいえ、過去のGⅠで〝2強〟〝3強〟といわれた下馬評が何度覆されたことか。蟻の一穴はないのか? 崩れるとすれば、GⅠ初挑戦のジャックかなあ。これまでのような〝華麗なる逃走〟ができない可能性がわずかにあること。過去に重賞で逃げ実績のあるアフリカンゴールドやショウナンバルディあたりが予想以上にからんできたら? ジャック陣営の「逃げにこだわらない。番手でもいい競馬をしている」というコメントも気になるではないか。もし控えたら…〝2強〟の構図は崩れるかも知れない。

一方のフォーリアは負けたのがダービーの鼻差のみで、もはやディープインパクト級の名馬であることは論を待たないので、あくまでジャックが失速したときの〝第三の馬〟候補として、あるいは〝2強〟の3連複ヒモ候補として挙げられるのは、エリ女馬で金鯱賞3着の幸アカイイト、前走AJCCで最内枠からの大外ブン回しを決めた横山パパのキングオブコージ、そして何はなくともマイブーム(笑)の岩田パパのスカーフェイスあたり。

ズバリの映画タイトル馬・スカーフェイスに注目!

昨年の覇者で金鯱賞2着の川田レイパパレは、なぜか〝3番人気不振〟のこのレースだけに、あくまで3連複のヒモの扱いで、馬連は買わない。ジャックの代わりに逃げ粘るのか国分恭アフリカンゴールドだが、よりによって外の15番枠とは…、ジャックは4番枠、と明暗が分かれた。これではいかにも買いにくい。

この予想とは直接関係ないが、気になるのはルメール大将である。当初騎乗予定だったアリーヴォは武豊に乗り替わり、土曜日のダービー卿CTの有力馬ザダルは田辺に騎手変更…。来週の桜花賞にはフォラブリューテに騎乗予定とあるが、はてさて。その実情と動向が注目される。

〝映画関連馬券〟は、久々にズバリの映画タイトル馬が出る。岩田パパの乗るスカーフェイス(傷のある顔)から、その名も『スカーフェイス』(83年)。アル・パチーノがキューバから亡命し、手段を選ばぬ冷酷非情なやり口で、暗黒街でノシ上がる男を鬼気迫る熱演で魅せた力作だ。『キャリー』(76年)などの鬼才ブライアン・デ・パルマ監督が、往年のギャング映画『暗黒街の顔役』(32年)のリメークとして撮ったが、下品極まる四つ文字言葉の連発と暴力描写が話題となり、もはや〝別の映画〟として楽しんだほうがトク。個人的にはこのパチーノはサイコウ! お馬さんのスカーフェイスにも、大阪杯の〝顔役〟に成り上がってブイブイ言わせたれ。

さて、最終的な買い目は、一応、本線はフォーリア、ジャックの④⑥2頭軸3連複で相手①⑤⑬⑭へ。つまらないので、普段はあまり手を出さない3連単でも買おうかな。⑥→④→①⑤⑬⑭、⑥→①⑤⑬⑭→④、⑥→①⑤⑬⑭→①⑤⑬⑭。馬連は絞って、トリガミ覚悟の④⑥より①⑥、⑤⑥、⑥⑬を重視。本来なら〝観るレース〟。投資は、たとえGⅠでも〝観覧料〟程度に抑えよう。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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