阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web 
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阪神タイガース“ポスト矢野”に「掛布」VS「岡田」…士気も落ちチームは解体寸前!?

開幕1週間で早くも〝借金生活〟となった阪神タイガース。その開幕戦では、球団史上初の最大7点差あったリードを大逆転され、敗戦…。


指揮官の矢野燿大監督は今季限りでの退任をすでに発表しているが、こんな調子ではシーズン途中に退陣なんて事態も現実味を増してきた。ベンチ裏では「ポスト矢野」の座を巡り、早くも権謀術数が渦巻いていた!


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そしてグラウンド外では、すでに「ポスト矢野」を巡る心理戦も始まっていた。


「阪神の優勝、上位を予想したプロ野球解説者も多かったです。投打ともに戦力は整っていますし、普通にやれば優勝を狙えるんです」(ベテラン記者)


通常の心理状態で戦えなくしてしまったのは、矢野監督だ。例の「今季限り宣言」が選手たちを動揺させてしまったからである。


ペナントレースが始まる前だが、こんな声も囁かれていた。


「チームが17年ぶりの優勝を決めても、監督退任のままでいいのか? それに、優勝した後に後任指揮官を引き受ける人なんて、なかなかいない」(球界関係者)


下位に低迷しているのならともかく、優勝チームを引き継ぐとなれば、「連覇」以外は評価されない。その重圧は並大抵ではなく、有力な後任候補と目される今岡真訪氏、鳥谷敬氏、藤川球児氏らの準備不足もあって、矢野監督の〝再々延長〟論も検討されるのではないかと囁かれていた。


しかし、そんな「優勝直後の後任探し」の難しさと同時に、対照的な意見も出ていた。

次期監督、現時点での「本命」は!?

「どうも、阪神の雰囲気が良くない。キャンプの打ち上げで矢野監督を胴上げしていましたが、見掛けだけというか…。矢野監督の二軍監督時代に薫陶を受けた青柳晃洋、捕手としてのイロハを叩き込まれた坂本誠志郎は『矢野監督のために』と言っていますが、あとは…」(在阪記者)

その通りならば、たとえ優勝したとしても、新監督を迎えチームの雰囲気を一変させたほうが良さそうだ。


「次期監督を選ぶ上でキーマンになりそうなのが、掛布雅之、岡田彰布の両氏です」(同・記者)


阪神は2025年2月オープンに向けて、二軍施設の移転を進めている。阪神電鉄・大物駅から徒歩5分と立地条件は最高で、3000人の収容が可能だ。総工費は推定100億円強。阪神グループには不動産関連もあるが、大掛かりな新事業には「慎重になりがち」とも言われてきた。


「それを決断させたのが掛布氏だと言っていいでしょう。二軍監督時代、鳴尾浜の球場にたくさんのファンが詰めかけ、入場制限を設けたこともありました。鳴尾浜の施設は狭く、老朽化も進んでいたんです」(前出のベテラン記者)


グループ全体として、掛布人気を再認識させられた。新二軍施設の影響で、掛布氏の存在は無視できない。掛布氏自身の登板を含め、「ポスト矢野」の人選が急浮上してくるだろう。


「現時点で『本命』と思われているのは、今岡氏です。去年は千葉ロッテでヘッドコーチを務め、井口資仁監督も信頼を寄せていました。退団する理由がないのにチームを離れ、現在は関西を中心に解説者を務めています」(前出の球界関係者)


その今岡氏が今年の阪神について、何度か語っていた。4年連続となる12球団ワーストの失策数を指して、「二遊間を強化すべき」と話していたが、その意見は岡田氏も述べていたものだ。

大差を逆転された開幕戦、本当の敗因は…

「岡田氏はキャンプが始まる前から、センターラインが固まっていないことを嘆いていました。要は、矢野批判ですよ」(同・関係者)

今岡、鳥谷、藤川の3氏は岡田体制で開花した。〝最後の優勝監督〟である岡田氏が現場復帰し、この3人を指導者として育てる図式も考えられる。


「今岡氏らの現場復帰は時間の問題。この3人のうちの誰かが監督になってもおかしくないし、3人のうち少し年上の今岡氏が監督になって、鳥谷、藤川両氏がコーチ入閣するのも悪くないと思います」(同)


そうなると、岡田氏がチームに最も強い影響力を持つことになる。


「開幕戦で好投した藤浪晋太郎の復活は大きい。巨人・菅野智之のおかげだと思うと、これまでのトラ首脳陣は何を教えてきたのか?」(前出のベテラン記者)


これこそ最大のタブーだ。


「チーム関係者、OBが最も恐れていたのが、開幕ダッシュの失敗でした。ラストイヤーの指揮官のもと、シーズン序盤で大きな借金を抱えることになったら、もう立て直しはできませんから」(前出の球界関係者)


大差を逆転された開幕戦だが、「本当の敗因はベンチワーク」との指摘もある。先発した藤浪が中継ぎ投手陣にマウンドを譲った時点でのスコアは「8対3」。残り2イニングであり、安全圏にいた。


「矢野監督は勝ちパターンのリリーバーを温存しようとしました。これは間違いではありません。でも、後続がピリッとせず、頼みの岩崎優、新守護神のK・ケラーを緊急登板させました。2人とも大差がついた時点で『今日は投げない』と士気が下がっていたんです。首脳陣がブルペンに喝を入れ直していれば、勝てたはずです」(同・関係者)


4月1日付でフロントに異動があった。谷本修球団副社長が本社要職を兼務することになった。新体制は次期監督に戦う集団への変貌を求めるはずだ。掛布、岡田、両レジェンドの出方が気になる。