新庄剛志 (C)週刊実話Web
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新庄ビッグボス“遊びます発言”に大波紋…念願の「プロ野球くじ」に消滅危機!

今国会でスポーツ振興くじ(toto)にプロ野球追加の法案提出を目指してきたスポーツ議員連盟が、日本ハム・新庄剛志監督の「遊びます」発言で急転、断念。ビッグボスの采配を〝1人八百長〟と疑問視する声が広がり、プロ野球くじが消滅危機――。


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ロシア軍のウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射などが討議されている国会の一角で波紋を広げているのが、日本ハムの新庄監督がソフトバンクとの開幕戦前に放った「開幕一発目からの3連戦は遊びます。真剣勝負は(本拠地に戻る3月29日の)札幌から」発言だ。これに過敏な反応を迫られ方向転換を図っているのが、超党派の国会議員で作る「スポーツ議員連盟」の面々。


同議連は、今国会でスポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)にプロ野球を追加する改正案提出を予定していたのだが、この新庄監督発言を契機に「見直し」を求める声が強まっているのだ。同議連の衆院議員秘書がこう話す。


「この発言以前にも新庄監督は『今年1年はトライアウト、優勝は狙いません』と公言しており、〝1人八百長〟を指摘する声が噴出、法案提出に二の足を踏み出したのです。スポーツ振興くじで絶対にあってはならないのが、八百長です。チーム一丸で勝利に向かうことが絶対条件なのに、監督が〝遊びで戦う〟と言うなんて…。今国会の法案提出は絶望的、この先も極めて困難になりました」


この反応に慌てたのが、各球団のフロント首脳だ。2シーズンに及ぶコロナ禍の影響で無観客試合や入場者制限を強いられ、それぞれ数十億円規模の損出を被った。持続可能なプロ野球を維持するには、「野球くじの安定した分配金が必要」というのが球界の総意。それを阻害する新庄監督の言動に、怒り心頭なのだ。

ビッグボスのハチャメチャ選手起用で「暴動が起きかねません」

スポーツ振興くじは、今年からバスケットボール「Bリーグ」が追加される。プロ野球は2012年から追加が検討されてきたが、野球賭博との関わりで選手が八百長行為をしたとされる「黒い霧事件」の反省から、15年7月のオーナー会議で全球団が反対。以後、球団代表レベルによる協議となった経緯がある。

しかし、新型コロナでプロ野球を取り巻く状況が一変。これに、「背に腹は代えられない」として、各球団オーナーが賛成に転じたという。


「その矢先に、新庄監督から積極八百長まがいの発言が飛び出し、球界・政界がスッタモンダするのは無理からぬ話」(同・秘書)


注目のソフトバンクとの開幕戦で、新庄監督はドラフト8位ルーキーの北山亘基を開幕投手に起用。さらに中継ぎには昨季の先発2枚看板の1人、東京五輪で金メダル獲得に貢献した伊藤大海、さらに翌日の開幕2戦先発する堀瑞輝を投入するなど型破りな継投で鷹打線を翻弄し、7回まで1対0でリードした。しかし、リリーフエースの杉浦稔大が1死満塁のピンチを迎えると西村天裕に交代。ここで新助っ人のF・ガルビスに逆転満塁本塁打を浴び、1対4で逆転負けした。


「なぜプロ野球くじが断念したかを端的に物語るのがこの試合」と語るのは、スポーツ振興くじを統括する文部科学省関係者だ。


「プロ野球くじは、コンピューターが無作為に勝敗を選ぶ『非予想くじ』方式なので、平等に公正さは担保できます。問題は、他の試合がすべて終わり、日本ハムが延長戦を戦っているケース。シミュレーションでは最大3000万円から5000万円が当選金となります。このシリアスな場面で、新庄監督が開幕戦のように守護神を降ろし、若手を積極起用して負けた場合、暴動が起きかねません。八百長でないにしても、大金がかかっている以上、何らかのビッグトラブルが予想されるのです」

各球団が潤うはずなのに…早くも「ビッグボスの功罪」問う声

また「ペナント戦や交流戦の優勝チーム」を予想する「順位予想投票」の導入も想定しているが、ここでも「優勝を目指さない」新庄劇場が邪魔をする。ファンの主流を占める60、70代の世代がそっぽを向けば、プロ野球くじの売り上げにも直結。スポーツ議連は、それを危惧しているのだ。

従来のスポーツ振興・サッカーくじの収益は、新国立競技場の建設費などに充てられたが、プロ野球くじはスポーツ界全般に使う方針。国がプロ野球の追加を急ぐのは、コロナ禍で約300億円のスポーツ振興予算(競技スポーツ・学校体育・生涯スポーツ)を増額できない財政事情にある。


「サッカーくじの総売り上げは年間約1000億円。収益の3分の1が国庫に入り、文科省を通してスポーツ振興に回ります。国技とも言えるプロ野球がtotoに加われば、売り上げは飛躍的に伸びるはず。各球団に10億円程度の分配も可能になるという試算もあるのですが」(前出の秘書)


そんな打ち出の小づちが、野球の人気アップを目指す「新庄劇場」のせいで水泡に帰すとなれば…。こんな皮肉な話はないだろう。


「新人を含め、毎日違う選手を一軍のスタメンに起用する」という公約通り、開幕3連戦で新庄監督は一軍メンバー全員をスタメン出場させ、ベンチやファンを盛り上げて見せた。しかし、この〝テキトーな采配〟がたたってか、開幕1週間で早くも〝借金生活〟に…。


「新庄劇場」が地元経済に波及効果をもたらしてきたのは間違いない。しかし、プロ野球くじの実施が見送られることで、球界には早くも「ビッグボスの功罪」を問う声が交錯している。